今月14日に行われた第47回衆議院議員総選挙において、自民党と公明党の連立政権は圧倒的多数の3分2の議席を獲得する大勝利を収めた。内閣の顔ぶれが基本的に変わらない状況の中、第3次安倍内閣が間もなく発足する。福井県立大学名誉教授、日中科学技術文化センター理事長の凌星光氏は、このほどインタビューに応じ、「今回の選挙は長期政権を目指す安倍晋三の『私利私欲』」によって実施された。ただ、日本が長期安定政権を確立することは、ある程度中日関係の発展にプラスとなる」という見方を示した。人民網が伝えた。
今回の衆議院選挙の結果を受けて、凌星光氏は次のように指摘した。
■日本では極右主義は受け入れらない
○戦後最低の投票率
今回の選挙は必要性のない選挙ではあったが、注目に値する問題も浮き彫りになった。まず挙げられるのは、投票率が引き続き低下傾向を示し、今回の選挙では、戦後最低の投票率となったことだ。総務省の統計によると、現在日本の投票権を持つ人口は、1億400万人。そのうち、今回の選挙に参加したのは5474万3097人、投票率は52.66%となり、2012年総選挙の最低記録を更新した。各都道府県の状況を見ると、投票率が最も低かったのは青森県で46.83%だった。
○投票率の低下
は日本国民の不満の表れ表面的には、日本国民とりわけ日本の若者の政治への関心度の低さが投票率の低下をもたらしていると見られるが、実際には、投票率の低下は日本国民の政治や日本社会の現状への不満を反映している。この現象には警戒が必要だ。国民の不満の感情が積み重なれば、ナショナリズムを助長し、国家を「右翼化」させる可能性があるからだ。当然積極的に政府の改革を進め、よりよい方向に発展する可能性もある。
○左翼勢力の台頭
今回の選挙では左翼勢力と右翼勢力の議席の増減に変化があった。投票の結果を見ると、左翼政党の社民党が前回と同じく2議席を確保したほか、共産党の議席が倍増し、選挙前の8議席から21議席へと大きく躍進した。日本共産党が獲得した議席は今でも非常に多いとは言えないが、20議席を超えると、国会で単独での議案提案が可能となり、他の野党と連合し、与党に対してある程度の牽制を加えることも可能となる。一方、右翼政党を見ると、極右勢力の次世代の党は選挙で惨敗し、19議席から2議席にまで議席を減らした。中心人物である石原慎太郎氏は選挙で落選し、政界を引退することを発表した。極右主義は日本では受け入れられないことを示している。
○沖縄で全敗した自民党
このほか、自民党が沖縄の小選挙区で全敗したことも今回の選挙の注目点となった。選挙中、日本各地で優勢だった自民党だが、沖縄では惨敗となり、共産党、社民党などの野党が計4つの小選挙区で勝利を収めた。これは、沖縄と日本本土との矛盾が深く大きいことを示している。沖縄の住民は、与党の米軍基地の移転問題への態度に反発を示しており、将来日米関係にも不安要素として影響を与えるだろう。