第12期全国人民代表大会第3回会議は3月5日午前9時、人民大会堂で開幕した。会議では、国務院の李克強総理による政府活動報告を聴取した。李総理は、省エネ・排出削減と環境対策の難関攻略にしっかり取り組んでいく姿勢を示し、さらに次のように述べた。
今年度は、GDP 1単位当たりの二酸化炭素排出量を3.1%以上、科学的酸素要求量(COD)とアンモニア性窒素排出量をともに2%程度、二酸化硫黄と窒素酸化物(NOx)の排出量をそれぞれ3%程度、5%程度削減することとする。大気汚染対策行動計画を踏み込んで実施し、地域間大気汚染共同対策を行い、石炭火力発電所の超低排出型への改良を推し進め、重点地域の石炭消費量のゼロ増を促す。新エネルギー自動車を普及させ、自動車排ガス対策を行い、ガソリンの規格と品質を高め、重点地域内の重点都市で国家第5段階基準のガソリン・ディーゼル油を全面的に供給する。2005年末以前に使用登録された黄標車をすべて廃棄する。気候変動に積極的に対応し、二酸化炭素排出権取引の試行作業を広げる。水質汚濁対策行動計画を実施し、海洋・河川・湖沼の水質汚濁対策・汚染源対策と農業のノンポイント汚染対策を強化し、水源地から蛇口までの全過程に対する監督管理を行う。環境汚染処理の第三者への委託を推し進める。環境保護税の立法作業をしっかりと進める。われわれは環境関連の法執行を厳格にして、汚染物質を違法に排出・廃棄している者を断固取り締まり、相応の罰金・罰則を課すととともに、こうした違法行為を野放しにしている者も、責任を厳しく追及して、しかるべく処罰しなければならない。
エネルギー生産とエネルギー消費の革命は、発展と民生に大きくかかわる。風力発電、太陽光発電、バイオマスエネルギーを大いに発展させ、水力発電を積極的に発展させ、原子力発電を安全確保の上に発展させ、シェールガス、炭層ガスを開発・利用する。エネルギー消費総量を規制し、工業・交通・建築など重点分野の省エネを強化する。循環型経済を鋭意発展させ、工業廃棄物と生活ごみのリサイクルを大いに推し進める。わが国の省エネ・環境保護市場には巨大な潜在力があるのだから、省エネ・環境保護産業を新興的支柱産業に育て上げなければならない。
森林・草原や河川・湿地は、大自然から人類がさずかった緑の財産であるから、格別に大事にしなければならない。重要生態プロジェクトの実施を推し進め、重点生態機能区を広げ、エコ文明先行モデル地区の整備を確実に進め、国土・河川総合保全のテスト作業を繰り広げ、流域上流・下流間相互補償メカニズム(上流域が水質を悪化させた場合は下流域の損害分を上流域が補償・上流域が水質の維持に取り組んだ場合には下流域も共同でその費用を負担する仕組み)の試行区域を拡大し、三江源(長江・黄河・瀾滄江の水源地帯)をしっかりと保護する。天然林の保護範囲を拡大し、天然林の営利目的の伐採を秩序立てて停止していく。今年度は、耕地の森林・草地への復元を新たに約67万ヘクタール、造林を約600万ヘクタール行う。生態環境の保護では、実際の行動が何よりも重要であり、行動を続けることが成功をもたらす。それゆえ、われわれは手を緩めずにしっかりと取り組んで、とこしえに美しい自然環境の中での永続的発展を実現しなければならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年3月5日