中国に対する全ての誤解のうち、中国共産党に関する問題が最も多い。中国共産党についてよく理解していない人、特に中国共産党の「革命党」から「執政党」への転換のプロセスを理解していない人は多い。昨今、世界の中国に対する興味が高まっているが、中国共産党を理解してこそ、真の意味で中国を理解できると言える。(文:ロバート·ローレンス·クーン、米国人中国問題専門家。人民日報掲載)
世界が中国共産党を読み解く上で最も重要な問題は、現在の国情の下、中国共産党が指導する多党協力と政治協商制度がなぜ最も中国に適しているのかということだ。中国共産党の指導の下、中国の発展は大きな成功を手にした。これは、中国の政党制度による利益がコストを大きく上回ることを示している。長期的に発展が不均衡な状態であった中国にとって、同制度の長所は、重要な政策を迅速に実行に移せるという点だ。例えば2008年の世界的な金融危機の際、中国は一連の刺激策により、最も深刻な世界経済危機の影響を逃れた。このほか、長期にわたって実施が必要な政策も、徹底した実施が確保されている。西部大開発戦略がその例だ。
多党競争制の方が中国は安定するという人もいるが、それは中国の実情から完全にかけ離れている。今日の中国人は生活のほぼ全ての面において、かつてないほどの個人的な自由を享受している。私が思うに、中国共産党にとって最大の成果は、中国人の精神が解放されたことであり、経済的な成功は2番目に重要な成果でしかない。