第3に、南中国海問題で報告は米国は全ての関係国に対して南中国海における関係国の行動宣言の実行を求めると公言する一方で、黄岩島(スカボロー礁)海域で軍艦を使用して中国漁民をかき乱し、威嚇するフィリピンのやり方、および揚陸艦を派遣して意図的に座礁させる方法で中国の南沙仁愛礁(アユンギン礁)の侵略・占領を企てるフィリピンの行いについては知らぬふりをし、さらには南中国海における関係国の行動宣言に違反して中国との紛争の国際仲裁手続きを一方的に進めるフィリピンの誤ったやり方を支持してすらいる。報告は中国が西沙諸島、中沙諸島、南沙諸島の島や礁およびその海域を最も早く発見、命名し、主権管轄を行使し続けてきた事実を省みず、西沙諸島の領有権をめぐり中国とベトナムの間に紛争があると妄言を吐いている。報告はさらに1898年の米国とスペインのパリ条約、1900年の米国とスペインのワシントン条約、1930年の英米条約という3つの国際条約がフィリピンの領土を西は東経118度までとしており、黄岩島はその範囲に含まれない事実を顧みず、黄岩島の領有権をめぐり中比間に紛争があることを認めている。
第4に、南沙諸島の埋め立てに関して、報告はフィリピン、ベトナム、マレーシアが1970年代から南沙諸島で埋め立て、飛行場建設を始めたことは公に認めたものの、中国による埋め立てを自然の現状を一方的に変えるものとして不当に非難している。
最後に、報告は海洋紛争の解決について軍事力の使用を慎む抑制的な中国のやり方に見て見ぬふりをし、海監、漁政および現在の海警船など公船を用いてもめ事を処理する中国の正しいやり方についてあれこれ口出しをしている。報告はさらに「中国の軍事的脅威」を誇張し、中国の軍艦や海巡船の数は域内諸国の総和をはるかに超えるとセンセーショナルな主張をしている。
色眼鏡を外して、中国封じ込めの冷戦思考を止め、中国の軍事力の発展と正当な権益維持行為を正しく受け止め、非衝突・非対立、相互尊重、協力・ウィンウィンという新型の大国関係に見合う新型の両軍関係を中国側と共に構築するよう米軍当局に忠告する。
「人民網日本語版」2015年8月24日