フィリピン大統領選の結果が、5月10日に明らかになった。ドゥテルテ氏が高得票数を記録し、国会の承認を経て正式に大統領に就任する。
これはフィリピンと近年親密になっている日本に不快感を与えている。ドゥテルテ氏は中国との対話を主張しているが、この政策が日米のフィリピンへの軍事支援を崩壊させ、日本の国益を損ねることになる恐れがあるからだ。
周知の通り、日本は近年、南中国海問題に積極的に介入し、存在感をアピールしている。米国とともに南中国海で問題を起こし、その一方で南中国海で友人を抱き込んでいる。フィリピンは重要な友人の一人だ。フィリピンを前線に立たせるため、日本は円借款を提供し、海洋巡視船として中古船を提供し、偵察力を発揮する軍機を貸与している。これには米国に追随する目的がある。日本はさらに南中国海を利用し東中国海方面をけん制しようとしている。将来的に中国に南中国海と東中国海の両面作戦を強いることで、中国をけん制する。これも日本の国益に基づくものだ。
ドゥテルテ氏は大統領選で、南中国海問題をめぐり中国と対話すると主張した。国民はドゥテルテ氏に投票したが、これは南中国海の対話という政策を支持しているからだ。しかしこの民意は日本の利益に合致せず、日本は自ずと不快感を抱いている。
日本と共に中国を包囲している外国人首脳は、日本政府によって友人と見なされ、カネをばらまかれ、共に声を上げている。この「世界の警察」のような行為に興味を持たず、国内の経済・治安問題の処理に積極的な未来の首脳候補に対して、日本政府は冷たい視線を送っている。
日本が好むと好まざるとにかかわらず、フィリピンの大統領選の結果は確実となっている。日本は今日、武力侵攻で他国の政権による選択を変えられなくなった。日本国内では、これまでの援助が水の泡になることが懸念されているが、その可能性も否定できない。
中国とフィリピンはいずれも、第二次大戦中に日本に侵略された国だ。日本は敗戦の結果として、占領した南中国海の諸島を中国に返還した。南中国海の周辺諸国は異なる意見を持つが、最終的に平和的な対話と協議により解決できる。当事国ではない日本は、侵略戦争の歴史の反省を続け、南中国海問題で新たな恨みを生むべきではない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月17日