米国の軍艦が数日前、再び南中国海に入り、永暑礁の周辺海域に到達した。米軍のこの行動は、中国側から警告と駆逐を受けた。中国外交部も同時に、米軍の行為を批判した。
米軍の軍艦と軍機はなぜ近年、南中国海の中国領の島礁付近の空域・海域に頻繁に侵入しているのだろうか?米軍の説明によると、これは南中国海の航行の自由を守るためだ。しかし世界で最も忙しい航路である南中国海を通過する船舶の数は近年、減るばかりかむしろ増え続けている。この事実は、南中国海の自由にまったく問題が存在しないことを証明している。
米軍が主張する南中国海の航行の自由という問題は、真っ赤な嘘だ。米軍が欲しているのは「航行の自由」ではなく、「横行の自由」だ。
米国が頻繁に南中国海情勢を乱そうとしていることについて、ロシアの軍事専門家も論評している。うち最も価値ある発言は、「南中国海問題の時間は、中国側にある」だ。時間の経過とともに、米軍は「横行の自由」という目標からますます離れていく。これは米国人も心中、理解していることだ。
米軍が以前の状態に戻れないならば、米国はなぜいわゆる「航行の自由」を大げさに取り上げるのだろうか?
一つ目の目的は、この地域で緊張情勢を作り、お友達や手先を使い揉め事を起こし、中国との間に摩擦を生じさせることだ。
二つ目の目的は、軍種の利益だ。表面的に見ると、米海軍の方が積極的だ。米海軍はすべてのチャンスを利用し、米国の利益は米海軍が必要というイメージを強調し、多くの軍事費を得ようとしている。軍種の利益の裏には、武器製造グループや兵器商人、一部の金融グループの利益が隠されている。
三つ目の目的は、中国に影響を及ぼし、中国をけん制する手がかりを手にすることだ。米国はかつて台湾問題を、中国に圧力をかける戦略的な手がかりとした。中米関係に問題が生じると、台湾に武器を販売し、中国側に圧力をかけた。
米国はいわゆる南中国海問題をつかみ続けているが、これは世界の人々に同地域の緊張情勢をアピールし、中国に圧力をかけ、中国を包囲しけん制するためだ。米軍の関係者は、そのようなコンセンサスを形成している。これは米国が頻繁に南中国海問題で揉め事を起こし、問題をこしらえ、緊張情勢を演出する根本的な原因だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月14日