中国の習近平国家主席は米ワシントン州シアトルに到着するや、直ちに米国各界と幅広く接触し、中米両国関係推進のために自ら行動した。ワシントン州政府と米国の友好団体の催した歓迎会で習主席は演説し、新たな出発点において中米の新型の大国関係を推進し、世界の平和と発展を協力して促進することにあたり、特に達成すべき4つの事を指摘した。(文:沈丁立・復旦大学国際問題研究院副院長。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
第1に、中米は互いの戦略的意図を正しく判断すべきだ。
中国の発展の趨勢に対して米側は行き過ぎた懸念を示し、近年はいわゆる「バランス」措置を取り続けている。米側は特定の国を標的にしたものではないと言明しているが、国際社会は米国の「バランス」の対象が中国であることをよく分っている。これは中米間の戦略面の相互信頼の強化、中米協力の推進にとって全く無益であり、反対に戦略面の誤った判断を生じさせる可能性を増やし、両国関係およびアジア太平洋情勢に暗い影を落とす。幸いなことに、中米は昨年重大な軍事行動の相互通告制度で合意するなど、すでに制度的な防止措置を開始している。だが全体的に言って、中米間の相互信頼醸成はまだまだ不十分だ。すでに構築された制度も、両国が実践の中で実行に努力する必要がある。
第2に、中米は協力・ウィンウィンを揺るがず推し進めるべきだ。
中米協力には無限の潜在力と大きな余地がある。双方の経済は現在共に調整期に入っており、バランスの取れた、質の高い二国間投資協定によって市場開放の新たなニーズを満たす必要がある。これには交渉の加速が必要だ。エネルギー、環境保護、交通運輸およびインフラ分野で中米による二国間協力、多国間協力は勢いを増している。