世界銀行の金墉(ジム・ヨン・キム)総裁は、米国公式訪問中の習近平国家主席の26日に予定されるニューヨーク国際連合本部訪問と国連創設70周年記念の一連のサミットへの出席に先立ち、このほど取材に答える中で、「世界銀行はアジアインフラ投資銀行(AIIB)および中国の国家開発銀行と協力し、アジア、アフリカ、その他の地域における極端な貧困の撲滅で努力していく」と述べた。
金総裁は、「世銀はAIIBの創設を歓迎し、これまでずっとAIIBと密接に協力することを願ってきた。貧困と不平等に関心を寄せる人であれば、誰しも発展途上国の経済発展や雇用増加への支援を狙いとする銀行の創設を歓迎するはずだ。AIIBは極端な貧困の削減で重要な役割を発揮できるからだ」と述べた。
また金総裁は取材に答える中で習主席との結びつきについて自ら言及し、「習近平氏が約30年前に視察した米国アイオワ州の農村マスカティンは私が育った場所だ。習主席に会うといつもマスカティンの共通の友人のことが話題になり、習主席は米国社会を深く理解していると感じる」と述べた。
金総裁は、「習主席と潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が共同主催する国連南南協力円卓会議に出席する予定だ。南南協力発展計画は非常に重要なプロジェクトであり、ミレニアム開発目標とはまた別のメカニズムだ。中国は発展推進の過程で多くのイノベーションや措置を生み出しており、今回の会議を通じて発展途上国のイノベーション・発展をめぐる協力と交流を推進し、極端な貧困の撲滅と共同の繁栄の実現を今回の円卓会議の2つの主要目標にしたい」と述べた。
金総裁は、「中国は経済成長モデルを転換し、発展の重点を製造、輸出、投資からサービス業、消費へと転換させるべく努力しているところだ」と指摘した上で、「中国経済をみるときにはバランスの取れた見方をしなければならない。中国の製造業は伸びが鈍化しているが、サービス業の需要と小売業はいずれも伸びている。中国の約7%という経済成長率は世界的にみてもなお高い水準にある」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2015年9月26日