私たちは単独行動主義を取らず、多国間主義を堅持するべきです。そして、二国間、多国間、すべての国家間のウインウインという新理念を実行し、「自分が勝てば相手が負ける」や「勝者総取り」といった古い考え方を捨てるべきです。協議は民主の重要な形式であり、また現代国際ガバナンスの重要な方法でもあるはずです。対話による紛争解決と協議による意見の違い解消を提唱するべきです。私たちは国際社会と地域においてグローバルなパートナーシップを築き、「対立ではなく対話を、同盟ではなくパートナーシップ構築を」という国と国との新しい付き合いの道を歩むべきなのです。大国間の付き合いは、衝突せず、対立せず、相互に尊重し、協力・ウインウインの関係を築くべきです。そして大国と小国との付き合いは、平等に接し、正しい道義と利益の考え方に則って、道義も利益も両立させ、利益よりも道義を重視するべきです。
――私たちは公平で正義にかなった、共に築き分かち合える安全保障構造を作り上げる必要があります。経済グローバリゼーションの時代にあって、各国の安全保障は相互に関連し、互いに影響し合っています。自国だけの力で絶対的な安全保障を追求できる国はなく、他国の動揺によって安定を手に入れることのできる国もまたありません。弱肉強食はジャングルの掟であって、国と国との付き合いの道ではないのです。みだりに武力を用いることは横暴なやり方であり、うまくやろうとしてかえって悪い結果を招くことにしかなりません。
私たちはあらゆる形態の冷戦思考を捨て、共通で、総合的で、協力的で、持続的に安全であることが可能な新観念を打ち立てる必要があります。私たちは国連と安保理の戦争を食い止め平和を守る上での核心的役割を十分に発揮させ、紛争の平和的解決と強制的行動を併用することで、戦争を友好へと変えていくべきです。私たちは経済・社会分野の国際協力を同時に推進し、安全に対する伝統的脅威と非伝統的脅威に対して統一計画的に対応し、戦争の災禍を未然に防がなければなりません。
――私たちは開放的かつ革新的で、包容力があり互恵的な発展という未来図を追求する必要があります。2008年に起きた世界経済金融危機は、資本の利益追求を放任すると新たな危機が引き起こされることを私たちに教えてくれました。道徳を欠いた市場では、繁栄し発展する世界という巨大な建物を支えることはできません。富める者がますます富み、貧しい者がますます貧しくなる局面は長く持続することができないばかりか、公平と正義にも反しています。「見えざる手」と「見える手」を巧みに用いて、市場の役割と政府の役割を有機的に統合し、相互に促進し、効率と公平を両立した規範的な構造を作り上げるよう努力するべきです。