第2に、米国が南中国海問題に手出しすることが中米関係にプラスの影響を与えるのかどうかだ。中国は中米の新型の大国関係の構築を提唱し、米側が溝を適切に処理、コントロールし、各分野の協力を拡大し、戦略面の相互信頼を一歩一歩積み重ねることを真摯に望んでいる。南沙諸島での中国の建設活動はいかなる国も標的にせず、いかなる国にも影響を与えない。軍事化の意図もない。だが中国側は米国を含むいかなる国が航行と上空飛行の自由の名の下、中国の主権と安全保障上の利益を損なうことにも反対する。米側は中国側が南中国海でいわゆる「過度の領有権主張」を行っており、「防空識別圏」を設ける可能性があると再三主張し、南沙諸島の「軍事化」に懸念を表明している。だがもし米側がこの地域で無節操に再三緊張を引き起こし、波風を立てるのなら、最終的に中国側は次のような結論にいたらざるを得ないかも知れない。「いつの日か中国側は南中国海での防御能力を増強せざるを得ない」と。南中国海の主権が侵害される結果を中国側が受け入れることはあり得ない。
第3に、アジア太平洋地域における米国のプレゼンスと地位が有益なのかどうかだ。習近平国家主席は最近の訪米で「中国側はアジア太平洋地域における米国の伝統的影響力と現実的利益を尊重し、米側が地域問題で引き続き積極的、建設的役割を発揮することを歓迎する」と表明した。いわゆる中国が強大になれば米国をアジアから追い出すとの米側の懸念は根拠がないものだ。アジア太平洋地域の国々も中米両大国間でどちらか一方の側につくことを望んでいない。だがもし米側が南中国海問題で頑として摩擦、さらには衝突を引き起こすのなら、この地域における米国のプレゼンスは建設性を欠き、受け入れられないものだ。米側は本来中国と関係国との関係に水を差し、武力を誇示することで自国の覇者としての威信を維持しようとしている。だが結局は災いが自らに跳ね返ることになるだろう。
米側がアジア太平洋地域における現在の戦略と軍事力、優勢および国際的発言権に頼ることは、南中国海における中国関連の問題において短期的な「面子」を得ることはできるかも知れないが、長期的、大局的に見れば「本質」を失う可能性がある。(編集NA)
「人民網日本語版」2015年11月4日