クリステンセン氏は現在のアジア太平洋情勢の複雑性を懸念し、「冷戦時代の旗印が鮮明な陣営の対立と比べ、今日のアジア太平洋はより複雑になっている。各国は地域の合法的な現状に関する共通認識が欠けている。例えば主権を巡る係争・問題について、地域内のすべての当事国の外交官は、心から自分たちの主張が合法であると考えている。そのためより大きなリスクと犠牲を顧みず、自国の立場を守ろうとする可能性がある。この現状は危険であり、米国が直面している課題だ」と述べた。
アメリカン・ エンタープライズ研究所の中国問題専門家のダン・ブルーメンソール氏は同日、「米国は現在も、自国のアジア太平洋における安全の利益とは何かを、戦略レベルで理解していない。米国は第二次大戦後に明確な対欧戦略を策定できたが、今日のアジア太平洋戦略は同じ水準に達していない。地域の領土・主権の係争の解決、アジア太平洋の外交・接触で、米国は最良の手段を見出していない」と指摘した。
ブルーメンソール氏は、中国は米国をアジア太平洋から追い出そうとしていないという、クリステンセン氏の観点に同意した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2015年11月20日