プリンストン大学政治学部教授、元国務副次官補のトーマス・クリステンセン氏は現地時間19日にワシントンで、中国は米国に代わり世界の超大国になるつもりはなく、米国をアジア太平洋から追い出すつもりもないと述べた。
クリステンセン氏は米国の学界で有名な中国問題専門家で、2006年から2008年まで国務副次官補を務め、主に米国と中国・モンゴルの関係の処理を担当した。クリステンセン氏は同日新書を携え戦略国際問題研究所(CSIS)を訪れ、上述の通り発言した。
クリステンセン氏は、「米中両国の国内には、相手側の戦略を誤解する人物が存在する。米国では、中国は完全に米国をアジア太平洋から追い出そうとする動きを見せているという声があるが、私は中国にそのつもりはないと考えている。米国ではまた、中国が米国に代わり世界の超大国になろうとしていると考えている人がいるが、私は中国が米国に代わり世界の覇者になろうとするつもりがなく、今後数十年内にもその能力を持たないと考えている」と述べた。
また中国国内にも、米国が中国の戦略をけん制していると考える人がいるが、クリステンセン氏はこの観点は完全に間違いだと判断した。クリステンセン氏は、「米ソの冷戦時代、米国の戦略はソ連を崩壊させ、ソ連経済に重傷を負わせ、国際的な舞台でいかなる外交の勝利も手にさせないことだった。しかし米国の中国に対する手段は、かつてのソ連に対する態度とは完全に異なっている。米国は1978年以来、中国台頭を促す力を発揮した。米中関係は複雑で競争性があるが、ゼロサムゲームではない」と語った。