各国は、主に次のような反応を示している。(1)どちらかに肩入れする。例えば米国やNATOは、トルコの「領土・領空の防衛」という立場を公然と支持している。(2)ロシアとトルコに自制と、事態のエスカレートの回避を呼びかける。トルコの軍事力ではロシアに対抗できないが、バックについているNATOがロシア機を撃墜する度胸の源となった。ロシアは比較的孤立しており、孤軍奮闘し敵地の奥深くに入り多面的な作戦を展開した場合、より大きな犠牲を強いられる。西側諸国の判断によると、プーチン大統領は「トルコに軍事的報復をする」という選択肢を排除している。しかしトルコとの正常な関係の一時中断、トルコの領土付近への軍事力の配備、エネルギー供給面の措置などが、ロシアの報復手段になりうる。
ロシアのシリアにおける行動は一時的につまずいたが、情勢と政策がもたらす結果に対して判断力を維持できれば、この情勢を利用することができる。西側の大国はトルコを支持し「団結」を強調すると同時に、本件を「二国間関係」とし、自国は関係ないとしている。これは西側諸国が一枚岩に遠く及ばず、ロシアからの報復を恐れていることを意味している。イスラム国攻撃で成果を上げたいフランスは、ロシアとトルコの体裁の良い危機解消を促し、西側諸国と「対テロ連盟」を構築するための仲介人になることができる。(筆者:中国国際問題研究院欧州研究所所長崔洪建)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年11月26日