中国石油化工集団公司(シノペック)が14日に発表した情報によると、同社は三沙市永興島の給油施設の建設工事を開始した。海外メディアは、中国が「係争中の島嶼」に給油施設を建設すると報じた。中国海洋問題専門家の劉鋒氏は14日、環球時報の取材に応じた際に、「永興島は海南省三沙市政府の所在地だ。中国企業の同プロジェクトは、完全に三沙の行政管理の範囲内のことである。また永興島に給油施設を建設することには、現実的な需要が存在する」と話した。
シノペックは14日に公式ミニブログで、「三沙市インフラ整備における石油使用の問題を全面的に解消するため、三沙市永興島給油施設の建設工事をこのほど開始した。計画によると、永興総合埠頭に2000立方メートルの専門的な貯蔵タンクを建設し、今後数年間の三沙市の各島礁の石油使用の需要を満たす。給油施設は3ヶ月で竣工し、貯蔵タンクは1年間で竣工する見通しだ」と投稿した。
この情報が発表されると、海外メディアは直ちにこれを報じ、コメントを出した。ロイター通信は、「この主権を巡る係争が存在する海域において、中国は自国の民間用インフラ整備の拡大を継続し、東南アジアの『海の心臓』の影響力の範囲を拡大している」と報じた。米ウォール・ストリート・ジャーナルは、「永興島の貯蔵タンクは、中国の南中国海におけるインフラ整備の一例にすぎない。先ほど中国は住民の住宅や学校などを建造し、同地域で主権を宣言した。この宣言と建設工事は、中国と隣国の間の緊張関係を招いている」と伝えた。劉氏は次のように指摘した。
永興島の給油施設の建設は、完全に中国の行政管理範囲内のことだ。三沙の建設は近年加速されており、交通運輸、インフラ整備、漁業、生産・生活などで石油の使用量が毎年倍増している。永興島の石油は長期的に、海南島からの長距離輸送に依存しており、かつ石油製品の備蓄および輸送の安全・規範・管理などの厳しい条件が設けられている。ゆえに三沙の経済・社会の発展は、石油使用の問題に直面してきた。そのため永興島で専門的な貯蔵タンクを建設することは必然的になっている。
永興島の関連インフラの整備は近年、力強く推進された。三沙市政府の所在地である永興島は、市政建設の中心地区だ。港湾施設、海水淡水化施設、汚水・ごみ処理施設、病院や学校など国民生活の関連施設を近年建設しており、島に駐留する軍人と一般人の生産・生活水準を大幅に改善した。また三沙市は石油製品保税モデルの実施を模索し、海上シルクロードの拠点の建設と海洋開発に貢献している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2015年12月15日