欧州の難民政策、転換期を迎えるか

欧州の難民政策、転換期を迎えるか。 わずか1年の間に、ドイツだけでも110万人の難民が殺到している。この流れは現在も続いており、欧州社会にかつてない衝撃を与えている…

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発信時間: 2016-01-13 13:39:59 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

大晦日の夜にケルン、チューリッヒ、ヘルシンキなど欧州各都市で大規模な女性暴行事件が発生した。これは一般的な意義における治安面から欧州社会に警鐘を鳴らしたが、事態はその後も深刻化を続け、欧州の比較的寛容な難民政策を崩壊させる最後の一撃になる可能性がある。

約1700人の市民が1月9日、ケルンの難民に反対するデモ行進に参加し、「難民の強姦魔を歓迎しない」というプラカードを掲げ、難民の強制送還を求めた。6人のパキスタン人と1人のシリア人が10日夜にケルンで、約20人から暴力を受け、数人が治療に送られた。

アナリストは、大晦日の集団暴行事件は、欧州難民問題の「パンドラの箱」を開き、欧州社会を分裂させる可能性があると指摘した。本件は署名されてから30年が経過するシェンゲン協定に影響を及ぼし、EUの人員の自由な流動、難民受け入れの基本的な価値観を脅かす可能性が高い。

国際移住機関(本部はジュネーブ)は先ほど、ドイツが2015年に110万人の難民を受け入れ記録を更新したと発表した。殺到する難民を迎え、メルケル首相は政権内とEU内からの圧力を押し切り、与野党の批判を直視しつつ、難民にドアを開いた。難民を最大限に歓迎し、住まいを与え、EUの基本的な価値観の維持に多大な貢献を成し遂げた。ところが今や難民政策への批判は、「極めて無責任の歴史的ミス」の程度まで引き上げられた。批判者は、難民に寛容な政策を1年以上続けたことで、ドイツの社会構造と安定を脅かし、EUの団結と協力を損ねた、欧州を混乱に陥れることになり、EU全体の実力を損ねるとしている。

難民というと世界の人々は、戦火によりすべてを投げやり故郷を離れるという運命に深く同情する。しかし難民の自己管理、自制、向上、自発的な社会への融合が極めて重要になる。ポルトガルの難民を受け入れたスイスを例とすると、スイスは人口800万人余りの小規模な国だが、かつては難民受け入れの大国だった。1970−80年代、多くのポルトガルの若者・学生・インテリが、政治・経済・社会などの原因によりスイスに移った。30数年以上がたつが、21万6000人のポルトガル人は、故郷から遠く離れた外国で、現地人と調和的に生活している。ポルトガル人が集まる村では、ポルトガル人の人口が現地人を上回っているが、効果的な自己管理により現在まで大きな衝突が生じていない。スイス人に言わせれば、ポルトガルの移民と難民は問題があれば自分たちで解決し、他人に迷惑をかけることはない。

わずか1年の間に、ドイツだけでも110万人の難民が殺到している。この流れは現在も続いており、欧州社会にかつてない衝撃を与えている。難民のうちごく一部の人の行動により、欧州諸国の政府と一般人が共に憤り、難民を追い出そうとしている。これは難民全体の運命に大きな悪影響を及ぼす。欧州の難民受け入れの歴史、EU内の人員の自由な流動の歴史は、一つの「転換期」を迎えたかもしれない。欧州の難民政策が今後どのように変化するかは、欧州の団結と「欧州の価値観」にとって歴史的な試練となる。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年1月13日

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