第12期全国人民代表大会第4回会議プレスセンターは3月8日午前10時、メディアセンターの多機能ホールで記者会見を開き、外交部の王毅部長が「中国の外交政策と対外関係」について国内外の記者の質問に答えた。
中国国際放送局の記者は「アジア太平洋における中米の戦略的な競争が激化を続けている。また実際に両国の国内で、ナショナリズムが強まっていることが分かる。今年は米国の大統領選の年であり、今後の不確定要素が追加されている。王部長は中米関係の未来をどのように考えているか。中米の新型大国関係の構築に、まだ自信を持っているか。」と質問した。中国の王毅外交部長は、次のように回答した。
王外交部長:中米は2つの大国であり、協力すれば摩擦が生じることもある。これは一つの常態だろう。今朝耳にした情報によると、米国は中国企業に貿易制限を行った。これは経済・貿易の食い違いを処理する正確な手段ではなく、相手ばかりか自国にも損失をもたらす。我々はこの常態を迎え、問題を直視し、解決し、協力を拡大・深化させなければならない。同時に摩擦と食い違いを、協力に変えるよう努力する。例えば気候変動問題で中米の間には食い違いがあったが、両国は昨年協力し、パリCOP21を成功させた。それから先ほどネットワークを巡る摩擦があったが、両国は現在、対話と協力の枠組みを構築している。このほど海上問題を巡る摩擦が増えているが、米国は冷静になった後、いかに海上協力を展開するかについて考えられるようになるだろう。
米国の一部の人は中国に戦略的な疑念を持ち、中国がいつの日か米国に代わることを懸念している。これは摩擦の根本的な原因だ。私はここで、中国は米国ではなく、中国がもう一つの米国になることは絶対になく、またもう一つの米国になれないことを再度強調しておこう。中国は誰かの代わりになる、もしくは誰かを指導するつもりはない。米国は中国が五千年に渡り蓄積してきた歴史と文化の伝統を学ぶべきであり、米国の考え方により中国を判断するべきではない。この点を認識すれば、中米関係の未来は広く切り開かれるだろう。
習近平国家主席は、中米の協力により、両国と世界のより多くの取り組みを実現できると何度も指摘してきた。中米関係のこれまでの歩みを振り返ると、衝突と対抗を回避する、相互尊重と協力・ウィンウィンの中米新型大国関係という道こそ、中米双方の共同の長期的な利益に合致し、世界の発展と進歩の流れに合致すると考える。中国は、米国の政府とリーダーがいかに変わろうとも、米国が中国と共にこの正確な道を毅然と歩み続けることを願う。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年3月8日