米比が南中国海を合同巡航へ、その野心とは?

米比が南中国海を合同巡航へ、その野心とは?。 南中国海情勢を水が沸騰した鍋に例えるならば、米国はこの鍋の火に薪をくべる手だ…

タグ: 南中国海 合同巡航

発信時間: 2016-04-18 13:33:35 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

まずは対象国だ。米国がフィリピンとの合同巡航を選んだことには、目的がある。フィリピンは米国の古き同盟国であり、ベトナムに次ぎ南中国海問題で中国と激しく対立している国だ。またフィリピンの軍事力が脆弱で、海軍の兵員数は2万4000人、空軍は約1万7000人のみであることも重要だ。フィリピン空軍は、優秀な部隊と先進的な設備の不足という、海軍と同じ現状に直面している。このような実力では、中国海軍・空軍と対抗できず、武力行使にいたってはなおさらだ。この状況下、米国は自ら出陣し、フィリピンを力強く支援するしかない。

次に時期だ。今回の米比合同巡航は、日本の海上自衛隊の軍艦がベトナムのカムラン湾に寄港し、米海軍の空母ジョン・ステニスが南中国海に入った時期に始まった。基地ネットワーク、海上安全同盟、二国間合同巡航を特徴とする、中国を念頭に置いた多国籍海上同盟が、米国の指導層の脳中で形成されつつある印象を受ける。それからオバマ大統領の任期は残すところあとわずかで、政治遺産を次の大統領に残したいと考えているようだ。米国の次期大統領は中国に強硬な姿勢をとるならば、巡航を継続すればよい。中国との関係を改善したければ、巡航を停止し善意を示せばよい。

最後に場所だ。南中国海は南北に長く東西に短い、長方形のテーブルに似た海域だ。中国とフィリピンはちょうど、その南北の両端に位置する。フィリピンを基地とし合同巡航するならば、距離が遠すぎるため、中国海軍・空軍の航空兵は干渉が不可能となり、比較的安全だ。米越両国が今後、南中国海問題で合意に至れば、米海軍の偵察機はカムラン湾から離陸し、南中国海の大半の範囲を網羅できる。

米国は今回、275人と5機という少ない兵力しか派遣しないが、米国の立場は徹底的に中国の対立面へと傾き始めている。中米両国の南中国海問題を巡る駆け引きは、すでに新たな段階に入っている。(筆者:馬堯 上海外国語大学国際関係・公共事業学院客員研究員)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月18日

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