第2に、米国から見て南中国海はアジア太平洋における地位に関わる。近年米国は相対的に力が低下し、地域の同盟国の訴えを満たすことができないばかりか、多くの分野で同盟国に自らの戦略実施に協力し、責任を分担することを求めている。こうした中、中国の脅威を騒ぎ立て、フィリピンの後押しをすることで、威信を確立し、同盟関係の重要性を高めようとしている。米国は南中国海巡航への参加を地域の同盟国に促してきたが、日本やオーストラリアは慎重な姿勢だった。そこで米国はフィリピンを引き込んで体裁を繕わざるを得なかった。
だが米国の懸命な行動も中国を思い通りに動かすことはできない。南中国海における中国の行動はすでに効果が現れ始めており、引き続き事を進めていく。
米軍があれこれと行動しているのに比べ、中国は悠然と構えている。国防部(国防省)ウェブサイトによると、範長竜中央軍事委員会副主席はこのほど南沙諸島を視察し、駐屯する将兵と建設労働者を慰労すると同時に、施設建設の状況について把握した。中国は3つのメッセージを発している。第1に、中国の主権の範囲内での活動にとやかく言う権利はどの国にもない。第2に、中国は平和的発展を堅持する。南中国海の平和を維持するとともに、より多くの公共財を提供することを望んでいる。第3に、中国には主権権益を維持する決意と能力がある。中国は強権を恐れず、虚勢はさらに恐れない。他の国々は中国の立場を誤って判断するべきではない。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年4月18日