AP通信によると、米国のカーター国防長官は5ヶ月内に、南中国海の係争海域を航行する米空母に2回乗艦し、米国の同地域における実力を中国に意図的にアピールしている。カーター氏はこの行動により、「米国が同地域における平和と安定の維持に引き続き貢献していく」ことを伝えようとしたと表明した。
中国国際問題研究所の楊希雨研究員は15日、中国中央テレビのインタビューに応じた際に、「カーター氏の発言は穏やかに聞こえるが、実際には相手が従わなければバットを振りかざそうとしている。中米両国の南中国海における駆け引きは、覇権とこれに対抗する戦いだ。米国がどれほど大きなバットを持っていようと、中国がそれをくらうことはない」と話した。
中国社会科学院海疆問題専門家の王暁鵬氏は、カーター氏のこの動きが、米比による合同巡航の地ならしである可能性について言及した際に、「戦略的に見ると、米国防長官は南中国海で空母に乗艦することで、米国の軍事力をあるべき場所に派遣し、前線で抑止力を発揮できることを関連国に伝えようとした。次に、米国がフィリピンのような弱小同盟国を砂時計の中央の細い管のようにし、北の日本と南のオーストラリアをつなげることを示そうとした」と分析した。
米国は今後、フィリピンとの軍事演習を頻繁に実施し、合同巡航を一つの内容として訓練を行うか、米比合同巡航を米国の「航行の自由作戦」に盛り込む可能性がある。王氏は、「どの手段を選ぶにせよ、南中国海の航行の自由、南中国海の平和と安全の深刻な脅威になる」と指摘した。
米国の第3空母打撃群のRonald Boxall司令官は記者に対して、「空母ジョン・ステニスおよび空母打撃群のその他の軍艦は、1−2隻の中国艦から追跡されることが多い。現在まで、中国艦は非常に専門的な動きを見せている。私は両国間の協力に非常に満足している。我々は各自が航行すべきと判断する海域を航行している。全体的に見て、我々の交流は専門的だ」と話した。
楊氏は、「これは中米両軍関係が新型大国関係に基づき成熟化に向かっていることを反映している。これは中米のみならず、南中国海の地域全体にとっての朗報だ。しかしこれはまた、米艦が今後も同海域で存在し続けることを反映している。米国は褒め言葉の中に野心を隠している」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月19日