まず、米国の直接的な目的は、中国の南中国海における活動の妨害だ。米国は南中国海の主権問題で特定の立場を持たないと口にしているが、実際の行動では何度も肩入れしている。フィリピンなどの国による挑発行為について、米国は見て見ぬふりを決め込んでいるが、中国の正当な活動についてはいちゃもんをつけ、妨害している。中国を警戒する意図を露呈している。
次に、南中国海は米国にとって、アジア太平洋における地位に影響を及ぼす。米国の実力は近年、相対的に低下している。地域の同盟国の要請に応じられないばかりか、戦略を実施するため同盟国の力を借り、職責を分担させている。米国は中国の脅威を誇張し、フィリピンの後ろ盾になることで、威信をアピールし、同盟の重要性を強調できる。これまで米国は地域の同盟国に対して、南中国海の巡航に加わるようそそのかしてきた。しかし日本やオーストラリアなどの国は、慎重な態度を示している。米国はメンツを取り戻すため、フィリピンを抱き込まざるを得なくなった。フィリピンは実質的な力を発揮できないが、米国はこれにより南中国海問題を巡る同盟の力を拡大し、台頭する中国の地域に対する「リーダーシップ」を弱めようとしている。
しかしながら、米国が必死に演技しても、中国をどうすることもできない。中国の南中国海における任務はすでに成果を手にしており、このまま計画通りに進められる。
国防部のウェブサイトが発表した情報によると、中央軍事委員会の範長龍副主席が南沙の関連島礁を視察し、駐留部隊と労働者を見舞い、南中国海の島礁の関連施設の建設状況を視察した。中国は、▽中国の主権範囲内の活動に対して、いかなる国にもいちゃもんをつける権利はない▽中国は平和的発展を堅持し、南中国海の平和を守り、より多くの公共財を提供する▽中国は主権・権益を守る決意と能力を持つ――という3つの姿勢を示した。中国は強権を恐れず、ましてや空威張りを恐れることもない。他国は中国の立場への判断を誤るべきではない。
カーター氏は空母に乗艦した際に、米国は「南中国海の平和と安定」を守り続けていると述べた。米国は言行不一致を続けるべきではない。(蘇暁暉 中国国際問題研究院国際戦略研究所副所長)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年4月20日