オンライン雑誌『ザ・ディプロマット』は10日、「中国主導のAIIB、少なくとも当面は協調融資を重視」と題する記事を掲載した。要約は下記の通り。
米国の欧州における同盟国が、中国が新設したアジアインフラ投資銀行(AIIB)に相次いで加盟するなか、米国はAIIBが中国の地政学的政治ツールになると信じているようだ。そのガバナンス基準は、世界銀行やアジア開発銀行(ADB)といった経験豊富な国際開発銀行を大きく下回る。AIIBは既存の開発銀行にとって無駄であり、相互補完の効果を発揮しないという観点があり、上述した懸念を形成している。
AIIBは開業から3ヶ月以上が経過し、初のプロジェクトを確定した。これらのプロジェクトを見ると、米国と日本の1年前の懸念が、杞憂だったことが分かる。AIIBはプロジェクトを選択する際に、適度および相互補完の原則を守っている。
AIIBが初めて着手するプロジェクトの一つは、パキスタンの全長64キロの高速道路だ。ロイター通信は先週、AIIBが同高速鉄道をめぐり、ADBと協力すると報じた。またAIIBは現在、世界銀行との協調融資プロジェクトを計画中で、月曜日に別の協調融資プロジェクトを発表した。その提携先は、欧州復興開発銀行(EBRD)だ。
ADBの中尾武彦総裁はパキスタンのプロジェクトが選ばれたことについて、中国との緊密な関係によるものという説を否定し、「我々のリストには多くのプロジェクトがあり、多くの国と関連している。パキスタンのプロジェクトが初めに選ばれたが、これは同プロジェクトを直ちに推進する必要があるからだ」と述べた。ADBも、プロジェクトの評価基準は経済価値であり、「いかなるメンバーの政治的特性」の影響も受けないとしている。
一部メディアは、AIIBとADBの融資方法は不自然だとしているが、実際にはそうではない。中国がAIIBの創設を促し、そのプロジェクトに対して事実上の拒否権を持つ。日本はADBの最大の株主であり、常に日本人が総裁に就任している。しかも現在、日本と中国の関係は良くない。この状況下、AIIBとADBはライバルと見なされているが、実際にはそうではない。
AIIBの成熟化と多くのプロジェクトの推進に伴い、その経営方法に変化が生じると思われる。協調融資という手段は、スタート段階としては賢明である。これは事前調査と評価の不足によるリスクを減らすことが可能だ。国際開発金融界において、より経験豊かな機関が審査したプロジェクトを利用することができる。
中国はアジア太平洋の広大な、信頼性と利便性の高いインフラを重視している(特にシルクロード経済ベルトが位置する大陸の奥地の)。しかしAIIBの現時点および短期間内の取り組みを見ても、中国自身の戦略的構想を推進し、他国の利益を損ねる傾向は見られない。ADB、中国、初の融資先にとって、AIIBの主張は完全に正しく受け入れやすい。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年5月12日
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