中米間の競争と協力は相伴い、相生じるものだと言える。双方の協力は互いに積極的な結果をもたらすが、双方の利益は一様ではないだろう。中米のパワーバランスの変化は、地域と世界の問題に対する影響力の偏移を伴う。改革開放以来、両国間の格差は縮小し続けており、米国はアジア太平洋地域で主導的地位を維持する力を失ってきている。
このため、中国の力と影響力の拡大を前に、米国の一部政治保守派と軍関係者は、引き続き冷戦思考を固守し、いわゆる「トゥキディデスの罠」に夢中になり、全盛時代に築いた地域秩序の維持、覇権の維持に力を尽くしている。米軍が最近、中国の南沙諸島の島・礁近海に軍艦を不法進入させたことは、南中国海を撹乱し、軍事的に中国を封じ込め、さらには中国の発展の歩みを乱そうとする企てにほかならない。
だが、中国の発展は誰にも抑え込むことができない。協力すれば共に利し、争えば共に傷つく。ゼロサムの角逐は自他共に傷つける。この理屈は明白極まりない。
中米関係の良好な発展は中米両国と世界にとって福音だ。良好な発展を維持するには理性的思考がもっと必要であり、バーンズ氏はこの境地を我々に示した。米国のトップレベルのシンクタンクの最高責任者の理念は米国の政界とシンクタンクにおいて決して孤立したものではない。米大統領選シーズンにおいて、こうした理性的な声は特に貴重だ。
理性の光が中米関係を明るく照らすか、冷戦思考が中米関係を巻き込むか、米国の熟慮を望む。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年5月16日