スペインのシンクタンク、ガリシア国際関係大学学長、中国政策観察センター長のフリオ・リオス氏は13日、新華社の独占インタビューに応じた。リオス氏の発言内容の要約は下記の通り。
南中国海の関連係争の解決の鍵となるのは対話と協議で、一方的な仲裁ではない。協議は理解を促すが、仲裁は係争を激化させるだけだ。法的角度と実際の効果から見ると、一方的な仲裁は無効だ。
仲裁でどのような結果が出ても、その法的価値と実質的な意義はいずれもゼロだ。
領海線の係争について、中国は2006年に国連海洋法条約第298条に基づき、領海線などに関する係争を、同条約が規定する第3者による係争解決手続きの対象外としている。
国際法によると、当事国双方が事前に仲裁受け入れを表明することが、すべての仲裁の基礎となる。かつ国際法廷の支持の下、双方は平等の原則に基づき、係争解決方法の制定に参与する。これによって一方が弁解できなくなることを避け、当事国双方が進捗状況を適時把握できるようにする。
仲裁裁判所が双方のコンセンサスを形成できなければ、法的にも実際の操作の面から見ても、仲裁は無効だ。つまりフィリピンが今回、一方的に仲裁を申し立てたのは、法的な効果を得るためではなく、政治目的を実現するためだ。仲裁裁判所による南中国海問題への介入は、中国に圧力をかける戦略の一部であり、米国がこのほど同問題に介入していることと強く関連している。
米国はいわゆる「南中国海の航行の自由」を理由とし、南中国海地域に海と空の力を頻繁に派遣し、第3者は沿岸国の法律・法規を順守しなければならないという条約の規定を踏みにじった。米国の南中国海地域における軍事活動の頻度が高まり、同地域で軍事事件が発生するリスクが大幅に拡大している。
南中国海地域の一部の問題は複雑で解決困難であるため、仲裁裁判所に今できることは、これらの問題を解決する条件がまだ備わっていないと宣言することだ。仲裁は問題を解決できないばかりか、長期的かつ複雑な法律戦を引き起こし、同時に同地域の緊張情勢を激化させる可能性がある。
二国間の協議により問題の解決策が見つかる。問題解決の鍵となるのはコンセンサスであり、一方的な仲裁ではない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月14日