中国―ASEAN諸国外相特別会議が13−14日にかけて、雲南省玉渓で開かれた。今年は中国とASEANが外交関係を樹立してから25周年で、双方はこれを記念するサミットの開催を予定している。また南中国海問題も引き続き重視されており、仲裁の結果がまもなく発表されようとしている。これは外相会議に幾重もの意義を与え、注目を浴びている。
このような会議では、意見の食い違いも避けられない。西側メディアは中国とASEANの食い違いを誇張する特別な口実を見いだせずにいたが、昨夜になり不可解な情報を伝えた。
ある西側メディアは昨夜、ASEAN諸国が「共同声明」を発表したと突如報じた。これには、「我々はこのほど南中国海で生じており、なおも継続中の事態に対して深刻な懸念を表する。この事態は信頼と自信を損ね、緊張を激化させており、南中国海の平和と安定を脅かす恐れがある。我々は国連海洋法条約などの世界が認める国際法に基づき、南中国海の平和・安全・安定および航行・飛行の自由の重要性を確認した」という内容が含まれたという。また同声明は、「我々は、地域の安全と安定に力を尽くし、係争を平和的に解決すると表明する」とした。
西側メディアによると、ASEAN諸国による同声明は、中国を名指ししなかったが、かつてないほど強硬な表現となった。これは中国に対する稀に見る外交の「ビンタ」であり、中国の南中国海における行動を厳しく批判したという。
まず、これはASEAN諸国の「共同声明」なのだろうか?ASEAN諸国から承認されているのだろうか?調べによると、ASEANは記者に正式な声明文を配布しておらず、西側の記者が個別の国の外交官に探りを入れた上で、上述した情報を伝えた。ASEANが本当に南中国海に関する「共同声明」を採択していたならば、中国―ASEAN外交関係の調整国の外相が大々的に発表するはずで、このようにまことしやかに「リーク」する必要はない。
次に、ASEANを懸念させる「南中国海で生じており、なおも継続中の事態」とは何のことだろうか?西側メディアの記事どおりだとしても、これを「中国の一方的な行動」の証拠と読むことはできない。南中国海で最も際立っている不安定要素は、軍事的介入をしようとする米国の姿勢だ。これは南中国海の大国の駆け引きにかつてない軍事的意味合いを込め、地域の平和と安定を脅かす不確定性をもたらしている。
それから、ASEAN諸国は全体で中国に「ビンタ」をしたのだろうか?ASEAN諸国は、閉幕したばかりの外相会議が意思疎通を促さないばかりか、南中国海問題に新たな緊張をもたらすとしたいのだろうか?このような意向は当然ながら存在しない。ASEAN諸国はそもそも、一部の問題について観点を一致させておらず、南中国海の複雑な問題をめぐり「集団行動」と見なされる突飛な行動に出る条件を備えていない。
南中国海問題がこれほどエスカレートしているのは、外部の勢力による扇動が原因だ。西側メディアは話に尾ひれをつけるようにして、「中国の孤立」という嘘を印象づけようとしている。中国とASEANは正常な交流を維持している。平和的発展が地域のテーマであるべきという重大な主張において、双方は域外国とよりも、域内国との間で高い一致性を示している。
興味深いことに、西側メディアは昨夜再び、「当初この情報をもたらしたマレーシア側は、『共同声明』を撤回した」という情報を伝えた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月15日