共同通信は25日、米海軍が南中国海にイージス駆逐艦3隻を派遣し、警戒監視活動を始めたことを明らかにしたと報じた。軍事専門家の曹衛東氏は、「米国は南中国海に3隻の駆逐艦を派遣し、中国の南中国海の島礁もしくは演習活動を偵察・監視する。南中国海問題のエスカレートと軍事化が目的だ」と指摘した。
報道によると、今回派遣されたのは「スプルーアンス」「ディケーター」「マンセン」。駆逐艦3隻は4月27日にハワイの真珠湾を出発し、6月22日までに南中国海で警戒監視活動を始めた。
米国はこのほど、南中国海で活発な動きを見せている。ジョン・C・ステニス空母打撃群は先ほど、南中国海で巡航を続けていた。米海軍は今月、ジョン・C・ステニスと空母ロナルド・レーガンをフィリピン海の軍事演習に追加派遣した。中国外交部はこれについて、「米国側は南中国海の軍事力の配備を絶えず強化し、先進的な軍艦・軍機を派遣し中国に対して高頻度の近接軍事偵察を続け、かつ同盟国もしくはパートナーを誘い南中国海である国を念頭に置く『合同演習』『合同巡航』を行っている。これこそが軍事化、火薬庫だ」とはっきり指摘していた。曹氏は次のように分析した。
米国の駆逐艦3隻が南中国海に入り、海賊および国際法違反行為の取り締まりの準備を整えたと称しているが、まず、中国に海賊はいない。次に、中国は国連海洋法条約の締約国・執行国であり、上述した問題は存在しない。しかし日本の共同通信は中国に矛先を向けており、中国が南中国海で軍事化を形成しているとほのめかしている。だが南中国海情勢が安定しているにも関わらず、米国が意図的にエスカレートさせ、不安定な局面を醸成しているのが実情だ。米国の軍艦は中国の領海線、もしくは付近の島嶼に沿うようにして近接偵察を行っている。米国のこの軍事行動に対して、中国軍艦は当然ながら情報確認と追跡・監視をする。これは双方の軍艦・軍機の接近・接触を引き起こす。時には中国側も対処しなければならず、こうして軍事的な対立が激化する可能性がある。そのため米国の駆逐艦3隻が南中国海に入った目的は、南中国海問題のエスカレートと軍事化だ。
米国の駆逐艦3隻は南中国海に入り、中国の南中国海の島礁もしくは演習活動を偵察・監視する可能性がある。メディアによると、この駆逐艦3隻の戦力は空母艦隊に匹敵するそうだが、これは確かにその通りだ。軍事力の弱い国に対して、ミサイル駆逐艦は対潜・防空・対艦能力を持ち、空母艦隊に匹敵するからだ。しかし中国にとって、ミサイル駆逐艦はミサイル駆逐艦であり、それほど大した力は持たない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年6月29日