米国の下心
フィリピンによる仲裁は、実際には2008年より計画が始まっていた。2012年の黄岩島をめぐる事件により、この「茶番」の上演が加速された。フィリピンによる仲裁の開始段階より、米国メディアは待ちきれず宣伝攻勢をかけた。仲裁の茶番は意図的に、国際法を履行する高尚な行動と美化された。そして仲裁に参与せず受け入れないという中国の正当な選択は、悪意をもって国際ルールに違反するとされた。米国はフィリピンの南中国海の仲裁のため念入りに計画を立て、指示を出し、いくつもの効果を手にしようとした。
(1). フィリピンによる南中国海仲裁手続きは中国の『公約』第298条の関連規定に基づく排除声明を無視したもので、中国側が弁明または反論した際に、米国に法廷外の「裁判官」として世論を作らせるというものである。
(2). フィリピンによる南中国海仲裁手続きは米国が中国を陥れるために掘った穴である。中国側が出廷しないことでフィリピン側は意見を押し通し、中国側が執行しなければ、米国は国際規則を用いて中国に圧力をかけ、「仲裁に反抗した」という帽子をかぶせて全世界に非難させる。
(3). フィリピンによる南中国海仲裁手続きの法廷審問中、米国は中国側に不利な世論を作り出しただけでなく、この訴訟に合わせて軍事的な威嚇や外交的な圧力などの手段をとった。米国の3隻の軍艦が中国の南中国海から12カイリ内の領海に進入して挑発し、B52爆撃機が南中国海の島礁上空を飛行して挑発し、2隻の空母が同時に南中国海で「巡航任務」と称して威嚇し、戦闘機が黄岩島の上空を3回飛行して威力を示した。
中国政府は仲裁を受け入れず、認めず、参与しないという立場を重ねて表明してきたが、仲裁に反論・反撃・対処しないとは限らない。仲裁をめぐる法律戦・外交戦・輿論戦の「3つの戦い」は、局面を切り開く実質的な効果を発揮した。米国が丹念に画策する今回のフィリピンによる南中国海仲裁手続きに対し、中国は冷静に対応し、その陰険さと下心を明るみにし、卑劣な企みを打ち砕く。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月1日