迎撃ミサイル「THAAD」が健康と環境に脅威をもたらすとの韓国の人々の疑いを打ち消すため、米国は18日、韓国国防部の職員とメディアに、グアム島に配備された「THAAD」システムを公開した。聯合ニュースは、測量結果ではレーダーの電磁波は基準値の0.007%にすぎなかったと報道した。だがメディアからはすぐに疑いの声が上がっている。
韓国ニューシス通信社は18日、当時レーダーが最大出力で稼働されていたかは疑わしいとしている。米陸軍の2012年の教科書によると、「THAAD」レーダーから半径3.6キロの円の外で初めて、人体への影響がないことを確保できるという。韓国が「THAAD」レーダーの安全距離を100メートルと定めたのはいったいなぜか。
韓国と米国は繰り返し、「THAAD」の配備は第三国に向けられたものではないと主張している。だが韓国メディア(ハンギョレ紙)でさえ、「THAAD」は米国の武器であり米軍が運営するのだから、米国と日本が共同で主導する既存のミサイル防衛体系と統一され、中国や朝鮮、ロシアなどの国を照準とするものにならないとは考えにくいと認めている。
中国国際問題研究所の楊希雨研究員は18日、「環球時報」記者に対し、「THAAD」は米国が東北アジア地域で構築する多角的ミサイル防衛体系の支点となるものだと指摘した。日本はすでに、「THAAD」に対して並々ならない興味を示しており、日本やフィリピンなどの国に「THAAD」の兄弟姉妹が出現すれば、多角的ミサイル防衛体系の形成が可能となる。
韓国日報の評論記事は、韓国の「THAAD」配備はその発端から米国の覇権戦略の一部であり、米国に鼻を引かれて進む「屈辱外交」だと批判している。韓国軍の高官はかつて、挑戦の核の脅威がなくなれば、「THAAD」の撤去を考慮できるようになると語った。だが事実上、韓国は「THAAD」の指揮権を握れるという保障はなく、将来的な撤去を語れる状態にはない。
ハンギョレ紙は、「THAAD」配備はすでに「米国側の議題」となっていると指摘する。韓国が米日同盟の下部の協力パートナーとなれば、「THAAD」の防衛範囲や配備場所、公表時期などはすべて米国が主導することになり、「THAAD」配備の効果や正当性をめぐって引き起こされる意見の対立や人々の反抗などの矛盾に直面するのは韓国自身ということになる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年7月22日