水陸両用機「AG600」は「飛空艇」で、機体の下半分が船体、上半分が一般的な航空機の構造となっており、国産エンジン「渦槳-6」4基を動力源としている。カンブイをつけなければ水面上で離着陸できない小型水上機と異なり、AG600は設備を取りつけなくても波の高さ2メートルの海面上で離着陸できる。そのため悪天候に対する適応力が高い。
中国通用飛機有限責任公司が発表したデータによると、AG600の全長は37メートル、翼幅は38.8メートル、高さは12.1メートル、最大離陸重量は53.5トン。最も注目されているのは、4500キロという航続距離だ。ロシア軍事専門家のワシーリー・カーシェン氏は、AG600の長航続距離は、南中国海の鉱産物資源の開発と島嶼の駐留軍への補給に非常に適していると推測した。中国通用飛機有限責任公司の曲景文会長は環球時報の記者に対して「AG600は波の高さ2メートルの海面上で離着陸し、南中国海の75%の自然な環境に適応できる。その航続距離により、中国最南端の曾母暗沙で2時間に渡り旋回作業を実施できる」と述べた。
300キロ内の近海では、主にヘリと船舶により緊急救助を行う。この範囲を超えると、ヘリの航続距離と積載能力が制限される。船舶の航行速度は遅い。AG600の最大航続距離は4500キロ、最大巡航速度は時速500キロ。そのため危険な状況が発生した場合、AG600は1−2時間内に現場に駆けつけることができる。例えば海南省三亜市の空港から南中国海最南端の曾母暗沙に向かう場合は、4時間以内に到着できる。事故発生海域で離陸し人員を救助してからすみやかに帰還し、直接大陸に到達した後に人員を病院の治療に回すことができる。これこそがAG600にしかない能力だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年7月25日