複雑な中米関係、戦争の悲劇を回避せよ

複雑な中米関係、戦争の悲劇を回避せよ。

タグ: 中米関係

発信時間: 2016-08-02 13:22:24 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

米ランド研究所は報告書の中で、中国と米国の間で戦争が起こりうる4つのシチュエーションについて予測し、両国で議論を巻き起こした。現在の中米関係をいかに定義すべきかは、多くの人を悩ませる難題になっている。簡単な言葉で中米関係を定義付けることは、これまでも非常に難しいことだった。

まず中米関係は構造的に複雑性を持つ。中米関係は米ソの敵対を中心とする関係と異なり、米日の協力を中心とする関係とも似ていない。米日はさまざまな矛盾を抱えてるが、協力は安定的だ。米ソは競争の中でも協力を行っていたが、競争が安定的だった。そのため彼らの関係は、比較的定義付けしやすい。中米関係は非常に複雑で、協力もあれば競争もあるが、どちらも主導的な地位を占めていない。

次に、両国間には多くの不安定要素があり、関係が常に変化する。例えば両国のパワーバランスは常に変化している。また中国は現在、多くの国内問題を抱えている。そのため外から見ると、中国は不確定性が高い。構造の複雑性にパワーの変動性が加わり、中米関係を一つの言葉で定義付けにくくさせている。

しかし成功例もある。1990年代、米国の中国問題専門家のハリー・ハーディング氏は「敵にして友(frenemy)」という概念を打ち出し、両国の学界から認められた。それからロバート・ゼーリック元国務副長官が2005年に打ち出した「責任あるステークホルダー(responsible stateholder)」も、中米双方の政界から認められた。

しかしそのどちらにせよ客観的な描写であり、プラスとマイナスの面が共存している。両国関係の基本的な事実のうちの一部は自ずと生まれたものであり、また人為的な操作により生まれたものもある。客観的な状況を完全に受け入れれば、主観性・能動性が失われる。中米関係には、主観性・能動性が効果を発揮する余地が残されている。

同じ事実を前にしても受ける印象は異なり、打ち出す政策も異なっていくる。複雑性という消極的な一面を強調すれば、対立する考えに陥りやすい。協力の一面を強調すれば、ウィンウィンの道を選ぶだろう。米国の「アジア回帰」は、警戒の心理を示している。中国の「新型大国関係」は、協力の拡大を強調している。

そのため中米関係の複雑性を見据える上で、態度が重要になる。主観的に対応する政策において、我々はより積極的なことを提案できる。少なくとも中国側からすれば両国関係を積極的な方向にむかわせるべきだ。新型大国関係はまず、良好な意図を示した。「トップと2番手は必ず争う」という歴史の悲劇を超越しなければならない。また新型大国関係には、相互尊重とウィンウィンのルートが残されており、両国にとって試す価値がある。

中国の中米関係に関する全体的な方針は、「積極的な態度、発展と協力の戦略、危機抑制の戦術」だ。我々は中米間に問題があり、しかもそれが多く深刻であることを認めるが、問題を制御する決意を持っている。戦略的には、協力面を出来る限り拡大する。戦術的には定期的な対話を維持し、対立と危機の制御を推進する。この方針に問題はない。しかし中米関係には相手があり、中国は米国がどのように対応するか把握していない。我々は正確な方向で人事を尽くし、具体的にどうなるかは天命を待つしかない。(筆者:金燦栄 中国人民大学国際関係学院副院長)

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年8月2日

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