中国の習近平国家主席は日曜日、G20杭州サミットの間隙を縫うようにして、ブラジル、ロシア、インド、南アフリカの首脳と非公式会談を開いた。これは中国が依然としてBRICSを重視しており、団結を願っているという情報を世界に伝えた。
BRICSは2001年に、ゴールドマン・サックスのエコノミストだったジム・オニール氏が提唱したもので、すぐに投資家・政治家から注目を集めた。これは世界経済の重心が、豊かな国から新興国に移る象徴と目された。しかしBRICS諸国の経済には、二極化が生じた。中国とインドは高度成長を続けたが、ブラジル、ロシア、南アフリカの経済は停滞・衰退した。これによって、BRICSという概念は市場の意義を失った。
しかしBRICS5カ国の首脳、特に中国は諦めていない。中国はBRICSを、米・日・独・英・仏・加・伊などの先進国と対抗できるクラブとしている。中国はその他の4カ国の合計を上回る経済規模を持つが、常にBRICSを力強く支持している。これは先進国クラブの新たなメンバーになるのではなく、発展途上国のリーダーになるという、中国の戦略的位置づけを反映している。
BRICS諸国は、本部を上海に置く新開発銀行の設立、国際金融機関における高い投票権の拡大など、すでに成果を手にしている。上海社会科学院の李立凡研究員(音訳)は「BRICSは気候変動やシリア危機などの世界的な問題でコンセンサスを形成しようとしている」と指摘した。
清華大学BRICS諸国経済シンクタンクは報告書の中で、「中国は発展途上国内の発展のつながりと影響力に力を注ぎ、最終的により大きな発言権を手にし、西側諸国に対して国際ルールの制定で譲歩を促すべきだ」とした。復旦大学国際関係専門家の朱傑進(音訳)氏は「経済面の圧力により、BRICS諸国はさらに団結を強める可能性がある。機が熟すにはまだまだ時間がかかるかもしれないが、BRICS諸国は中国国際関係の新理論を試す場である」と指摘した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月5日