ASEAN10カ国による首脳会議が6日午後に始まった。海外メディアは、今回のASEAN関連の首脳会議のコミュニケは、いわゆる南中国海仲裁案に言及しないというスクープを報じた。また共同通信によると、7日に開かれる中国・ASEAN首脳会議の議長声明案が、南中国海問題の平和的解決に向けた「行動規範」策定を巡り、域外国の「妨害」を受けないことを前提とする中国の方針に歓迎すると明記したという。中国社会科学院海疆問題専門家の王暁鵬氏は、環球時報に対して「今回の首脳会議で小さな波乱が生じ、一部の域外大国と南中国海問題の当事国がこの機を逃さずいざこざを起こすだろうが、大きな波乱になることはない」と指摘した。
タイのバンコク・ポスト紙は6日、ASEAN首脳会議の声明案が7月12日の南中国海の仲裁結果に言及しないことは、中国の外交の勝利とみなすことができ、中国の東南アジアに対する影響力のほどがうかがい知れると報じた。ニューヨーク・タイムズは、この声明は協議によって、一連の会議が終了する8日に発表されることになったと報じた。まだ2日の調整期間があるが、南中国海問題に関する主な論述が変更される可能性は低い。
今回のASEAN議長声明はなぜ仲裁に言及しないのだろうか?シンガポール巡回大使、ASEAN元事務局長の王景栄氏は南華早報に対して「フィリピンが首脳会議で仲裁案に言及しないことをほのめかしていることから、その他の国も言及を回避する。そのため米日も事にかこつけ勝手なことを言うわけにもいかない。ドゥテルテ大統領は8月、9月のラオスにおけるASEAN関連の首脳会議で南中国海仲裁問題について取り上げず、中国側と静かに対話したいと表明していた」と述べた。
マレーシア野党議員は南華早報に対して「ASEANの多くの国は、中国とフィリピンの南中国海における係争に巻き込まれたくない。ASEAN首脳は公の場で一致団結を示す必要がある。これは米中の東南アジアにおける代理戦争という説を現実化させないためだ」と話した。
王氏は環球時報に対して「ASEAN議長国のラオスは、ASEANの一部の国と大国が喧伝する海洋問題において、非常に公平な立場と観点を示している。これはASEAN内部で主流となっている意識を示しており、ASEANの圧倒的多数の国が中国とASEANの関係を理性的に見据え、中国の地域事業における積極的な力を目にしていることを意味している」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月7日