これらの観点は日本の期待とは程遠い。日比は確かに良好な関係を持つが、南中国海政策で両首脳は異なる路線を歩んでいる。面と向かい合えば友好を演出するが、これは真の「合意」とはまったく異なっている。
安倍首相はフィリピンが、米日の南中国海戦略の駒であり続けることを願っている。ドゥテルテ大統領はフィリピンの独立した外交を主張しており、フィリピン自身の国益を求めている。双方の戦略の出発点は、ほぼ真逆と言える。
真の合意は、ドゥテルテ大統領の訪中期間中に、中国の首脳との間で形成された。しかも重要なことに、ドゥテルテ大統領は東京でも「北京での合意」を貫いた。その中心的な内容は、中比が友好協力の道に戻り、南中国海の係争を棚上げにし、南中国海の敵から協力パートナーになり、互恵とウィンウィンを実現することだ。
中国と米日はいずれもフィリピンを争奪しようとしているが、主導権は中国側にある。中国はフィリピンと同盟を結ぼうとしておらず、フィリピンと米国の対抗にも期待していない。ただ中国と友好関係を発展させ、南中国海問題で二国間対話を展開し、大国の食い違いが生じている分野で出来る限り中立を維持することだけを願っている。これはドゥテルテ大統領の意向に沿い、フィリピンの国益と高度に合致する。
米日はフィリピンに無理強いをし、中国との対立を維持するよう促している。彼らが宣伝に力を入れる南中国海の仲裁は一つの道具、フィリピンに仕掛けた罠に過ぎない。ドゥテルテ大統領はそれをはっきり認識している。このフィリピン大統領を子供扱いし、勝手に「合意」を形成できるわけがない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年10月27日