TPP離脱、トランプ氏の方針とは

TPP離脱、トランプ氏の方針とは。

タグ: TPP,トランプ氏

発信時間: 2016-11-23 16:17:44 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

次期米大統領のトランプ氏は北京時間火曜日午前にビデオメッセージを発表し、就任初日に米国がTPPから離脱するよう指示を出すと述べた。TPPは米国の災難になりうるというのだ。

TPPはすでに危ぶまれていたが、トランプ氏が離脱に再言及したことは、やはり衝撃的だった。TPPはオバマ大統領の「アジア太平洋リバランス」戦略の経済政策の礎で、オバマ大統領の主な外交のレガシーの一つだ。トランプ氏がTPPを歴史のゴミ箱に放り捨てようとしていることは、重大な動きだ。日本の安倍首相は、トランプ氏のこの新たな方針に強く反対している。

トランプ氏はこのメッセージで世界に対して、自身の米国の利益への認識がオバマ大統領と大きく食い違っていると伝えた。これまで慣れ親しまれていた扉から出入りするのではなく、新たな扉を開きたいという。

この扉が孤立主義なのか、それとも極端な貿易保護主義なのかは、今のところ不明だ。米国のTPP離脱は、貿易排他主義の停止、貿易協定の地政学化の回避に対して積極的な意義を持つ。しかしトランプ氏が「米国の利益優先」を求め、その他の貿易大国の利益の犠牲をコインの裏側にするならば、中国を含むその他の貿易大国の利益が損なわれることになる。

トランプ氏は従来の米大統領や政治エリートのように地政学に執着せず、米国経済の復興と社会建設の展開に注目しており、新しい印象をもたらした。その一方で一部からは、トランプ氏が焦りすぎることを懸念する声が上がっている。トランプ氏が保護主義を万能薬と考えているならば、この認識は単純過ぎるからだ。トランプ氏が本当にそうすれば、現在の世界経済協力の規則に深刻なダメージをもたらし、米国と貿易・投資パートナーの共倒れを招く可能性がある。

中国にとって、トランプ陣営が実務主義の原則を守れば、中米の未来の経済貿易交渉が難航することはない。駆け引きは避けられないが、中米のすべての経済貿易協力は、最大限に両国の共益を引き出すことを基本とするしかない。「米国の利益優先」には、同時に他国の正当な利益を十分に尊重するという中身が含まれなければならない。さもなければ、米国と他国は新たな経済貿易協定を結ぶことが難しく、無理に結んだところで維持することは不可能だ。

グローバル化の時代の大国は、高度に開放されることが決まっている。扉を閉ざし、旨味を他者と共有しないような古い発想が、ある大国の座右の銘にされれば、その国の活力を大きく奪うことだろう。

トランプ氏は「政治の素人」で、ヒラリー氏のような政治思想の重荷をほとんど持たない。これは国際関係に重大なチャンスをもたらす。同時に経験不足のため、トランプ氏の就任後にもたらされる、国際関係の不確定性が懸念されている。現時点では、トランプ氏と同陣営の積極的な動向の方が際立っている。トランプ氏はまだ米国と他国の関係の傷口に塩を塗っていない。東欧から中東、さらには東アジアに至る数多くの古い問題に、いかに対処していくかが見ものだ。

トランプ氏は物議を醸すTPPにメスを入れるメッセージを出したが、こうすることにどのような意義があるかについては、今後の展開を見守る必要がある。中国はトランプ陣営との接触と意思疎通を強化する必要があるだろう。トランプ氏は、米国経済復興の道において、中国が最高のパートナーの1人になりうることを知っているはずだ。中米はどちらが発展しようとも、相手と共に利益を手にすることができる。グローバル化する時代の大国関係という基本面が、旧時代の経験による「最悪の計画」にかき乱されることを回避しなければならない。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年11月23日

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