12月の南京市で、冬の寒風より痛みを感じさせるのは、79年前の大虐殺の悲惨な記憶だ。今年も12月13日を迎えた。3年目となる南京大虐殺犠牲者国家追悼式で、凄まじい警報が再びこの都市の上空に鳴り響くことになる。これは追悼であり、それ以上に警鐘でもある。
国家追悼式により、犠牲者を祀る。南京大虐殺犠牲者国家追悼日の設立から2年以上に渡り、30万人の犠牲になった同胞を深く偲び、災いの歴史を深く振り返ることで、愛国心を継承する中国人の自覚的な追求が生まれ、中華民族の偉大なる復興の静かな力になっている。
痛ましい記憶、永遠の継承
「悲痛の歴史が時の流れによって消えることはない」「79年前の災いは、遅れれば痛い目を見るという最高の教材だ」「歴史という鏡を磨き、中国人は強くなるべきだ」
侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館(南京大虐殺紀念館)に近い地下鉄2号線の入口にある、幅35メートル、高さ2メートル以上の「国家追悼日平和の願い壁」には、歩行者の心からの言葉がびっしりと記されている。
12月13日が近づき、南京大虐殺の歴史の悲痛な記憶が、再びこの都市の背景色になろうとしている。「国恥を忘れず、中華の夢を叶える」をテーマとする祈念活動が連日開かれ、79年前にこの都市で起きたこの世の惨劇を忘れないよう促している。
2014年2月末、中国は12月13日を南京大虐殺犠牲者国家追悼日に指定した。2年以上に渡り、侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館に延べ2000万人弱の来館者が訪れている。張建軍館長は「万人坑遺跡にうず高く積もる白骨、痛みを物語る歴史の揺るぎなき証拠により、来館者は悲痛と衝撃を感じ、警戒の意識を強め続けている。これは国家追悼日の設立が効果的であることを力強く示している」と述べた。
『人類の記憶:南京大虐殺実証』(上下巻)が12日午前、南京で初公開された。本書の編集者、南京大虐殺歴史研究専門家の張憲文教授は「南京大虐殺の罪を集中的に示す本書は、紛れもなく深い警告だ。研究者が数十冊の『南京大虐殺史料集』から選びぬいた実証は、79年前の災いの記憶を最も良く説明している」と指摘した。
平和は共通の理想