韓国ソウル市は18日、抗日独立運動家の安重根の「東洋平和論」の精神を記念・発揚し、世界平和と共同発展を促進するため、アジア平和賞の制定を推進すると表明した。日本政府は安重根を「テロリスト」としており、韓国の措置は日本メディアから集中砲火を浴びている。
聯合ニュースによると、ソウルは安重根の死去した3月26日か、暗殺を決行した10月26日に合わせ授与する計画だ。国家、人種、宗教、理念を問わず、アジアの平和に寄与した個人や団体に授与する。賞金は10万ドル。ソウルは来年、同賞の制定準備に向け、まず2000万ウォンを拠出する。
安重根は1909年にハルビン駅で、日本が朝鮮半島統監に指名した伊藤博文を暗殺し、その場で逮捕された。安重根は1910年3月26日に、中国の旅順で死去した。韓国のネットユーザーの多くは、安重根の中日韓平和思想を宣伝できるとして、同賞の制定を支持している。しかしソウル市議会議員の金栄碩氏は、安重根は愛国主義者であり、地方政府ではなく国家レベルで記念賞を制定すべきだとしている。
韓国のこの措置に、多くの日本人が不満を募らせている。日本のネットユーザーは「テロリストの賞を設けるとは、この国(韓国)はそこまで基地外なのか」と称した。
「夕刊フジ」の公式サイト「ZAKZAK」は、「韓国では安重根は英雄とされる。一方、保守的な日本人は、『反日思想のテロリスト』として捉えている」とした。また日本の朝鮮半島植民地支配の歴史については「日韓併合で、朝鮮人は日本国籍となった。大日本帝国は国家の威信にかけて、朝鮮半島の衛生改善やインフラ整備、産業育成、教育レベル引き上げに取り組んだ」とした。
韓国の大統領候補とみられる人物は、日本に対して相次いで強硬な姿勢を示している。最大野党・共に民主党の文在寅前代表は、日本は歴史問題で反省・謝罪するべきであり、韓日の慰安婦合意と韓日軍事情報保護協定の見直しを求めると表明した。人気急上昇中の城南市の李再明市長は、日本は軍事的に韓国の敵国だと表明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年12月19日