中国の王毅外交部長が8日の記者会見で与えた最も深い印象は、自信だ。中国外交部長の自信は装ったものではなく、国家の外交状態をありのまま示している。これは自信を深める国全体の縮図だ。
トランプ大統領の当選により、全世界が同時に乱れたようで、各国の政府が戸惑いを示している。トランプ大統領は選挙中、中国の原則に難癖をつけた。中国は最も不安になり、落ち着きを失っている国のはずだ。ところが中国は当時の対米関係で、世界に類を見ない不動心を示した。中米関係はその後、安定的に着地した。
南中国海はスリル満点だが危険のない「ジェットコースター」だ。2016年に仲裁の茶番がピークに達すると、一部の外部勢力は大喜びしたが、急転直下の事態となった。まだあれから8ヶ月ほどしかたっていないが、仲裁案はもはや隔世の感がある。フィリピンは再び中国の良き友人になり、ベトナムと中国の協力も再び両国関係の中心となった。南中国海情勢は混乱を乗り越え、平和的協力の原点に回帰した。外部で「航行の自由」に取り組む勢力は、あら探しさえできなくなり、退屈そうにぶらついているしかない。
王部長の中ロ関係と「中ロ米大三角」に関する説明、BRICSの協力に関する紹介は、中国は世界の「リーダー」になるかという質問への回答であり、自信を示した。世界はゼロサム時代に別れを告げつつあり、新興国が国際舞台の中央に立っている。中国は奢らず焦らず卑屈にも傲慢にもならない。これは中国の国家戦略が全体的に鷹揚で、進退に根拠ある時代だ。
中国にとって最も差し迫った問題の多くが北東アジア、特に朝鮮半島で生じている。以前は主に朝鮮の核ミサイル問題だったが、今やミサイル迎撃システム「THAAD」が韓国に配備されることになった。中国は南北双方と冷淡な関係になった。しかしながら半島問題がどれほど騒がれようとも、中国の発展を戦略的に脅かすことはない。ミクロレベルではコントロールが困難だが、マクロレベルでは調整の余地が残されている。半島問題は中国が水の中に足を踏み入れれば、誰かが首まで埋もれるような関係だ。
「一帯一路」サミットが今年、北京で開催される。これは中国がこれまで開催したうち、最大規模のサミットになるだろう。興味深いことに、これは多くの国が発展のみを共に協議するサミットだ。伝統的な地政学を超越し、貧富の差を問わず、さらには価値観の壁を設けない。これは互いに励まし取り組む事業だ。プラスのエネルギーと力があふれる国でなければ、このように会議を招集することはできない。
王部長の記者会見は、中国人の視野を広げ、安心をもたらした。当然ながら、中国人は「最良はなく、より良いしかない」という哲学を信奉している。中国の台頭への受け入れを促し、世界範囲で中国の発展をよりスムーズにし、各国の発展と渾然一体となるため、中国の外交はまだ責任が重く、道ははるか遠い。今後長期間に渡り、前進を続けなければならない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年3月9日