国防費の支出の公開性と透明性
国防費の使用に関して、銭氏は2010年に公布された『国防白書』に基づき、中国の国防費が主に人員生活費、訓練・維持費、装備費の三点から構成されていることを説明した。そして現在、国防と軍隊の改革強化に伴い、中国も以下のことに対応して軍事費投入を調整する。一つ目は軍隊の再編、作戦力とシステム最適化の調整などの改革任務の完成を確実に保証するために国防と軍隊の改革費用の支出を調整すること。二つ目は主戦装備の研究開発を拡大し、軍備のアップグレードと改造の足取りを早めること。三つ目は軍事訓練と軍事教育へ投入し、軍事的な人材の資質を上げ、新しい軍事的人材からなる軍隊をつくり上げること。四つ目は軍隊の戦備訓練と仕事・生活の環境を改善すること。五つ目は軍備融合、国防動員と後方支援建設である。中国の軍事費の投入は中国の軍隊建設の実質的な需要に基づきさらに拡大する。これは一般の国とは異なる状況である。
銭氏は、中国の軍隊は一貫して世界平和を維持する揺るぎない力であると指摘する。中国はこれまで防御的な国防政策と積極的防御の軍事戦略を遂行し続けており、戦略意図および能力向上の情報は全て公開し透明である。中国政府も国防法、予算法などの法律法規に厳格に従い、国防建設に関するあらゆる支出を全て国家予算の枠組みに入れ、全国人民代表大会による審査を経る。
中国の軍隊が不断に情報公開を広めていくことは、中国の軍隊が持つ自信と開放的な態度を表している。近年、中国の軍隊はさまざまな方法で国内外の大衆および中国の軍隊建設に注目する世界のメディア、軍事機関、研究機関に中国の軍隊建設の情報を提供し、中国ですでに創設された国防部報道官制度を含め、毎月国内外に中国の軍隊建設に関する情報を発表し、国内外の記者が注目する中国の軍隊建設に関する情報を積極的に回答してきた。この他に、2年ごとに公布する中国国防白書および『解放軍報』、国防部サイト、中国軍サイトと政府部門サイトにも中国の軍隊建設の情報を大量に公開している。
2007年から中国政府が毎年、国際連合(国連)に前年の会計年度の軍事支出報告を提出していることは中国が積極的に国連事務に参加する厳格で真剣な態度を表している。中国の軍事費の投入方向を説明することにより、世界に中国がどのような国防政策を実施し、どのような軍隊を建設しているのか理解してもらおうとしている。