福建省福州市で3日間にわたり行われていた「BRICS政党・シンクタンク・民間社会組織フォーラム」が12日閉幕した。「協力・発展を共に図り、素晴らしい未来を共に創造」をテーマとする今回の会議には、BRICSの政党指導者、シンクタンクの学者、民間社会組織のトップ、一部途上国の代表ら計400人余りが出席した。人民日報が伝えた。
■政党はBRICS協力で政治的リーダーシップを発揮すべき
BRICS政党フォーラムの開催は、BRICS協力体制発足後初だ。これについて宋涛・中共中央対外連絡部長は「BRICS協力推進における政党の重要な役割をしっかりと発揮することに着眼して中国側が計画し、セットしたものだ。BRICS協力において政党は自らの強みを十分に示し、政治的リーダーシップをより良く発揮する必要がある」と指摘した。
「政党は政策の策定者であり、政策実施の推進者でもある」。宋氏は「政党対話を通じて、思想、理念面の議論を行うとともに、実務協力の現実的な道筋を幅広く検討し、BRICS協力への政府、企業、大衆、社会組織の積極的な参加を後押しし、実際の行動によってBRICS協力のたゆまぬ深化・具体化を推進することができる」と指摘した。
「政党の影響力は大きく、BRICS間の結びつきを強め、協力を促進する」。インド人民党のラム・マダフ総書記は人民日報の取材に「フォーラム開催はBRICSの政府・与党間のコミュニケーションを強化し、合意形成をより容易にする」と指摘した。
ロシア自由民主党最高委員会委員、ロシア下院国際問題委員会委員のアントン・モロゾフ氏は「政党間の対話・交流はBRICSの協力分野を大きく拡大し、『BRICSプラス』の発展の趨勢にも合致する。BRICS自らの発展を通じて全世界の持続可能で安定した発展を実現し、各国のガバナンス能力を高め、グローバル・ガバナンス制度を整えるべきだ」と指摘した。
■シンクタンクの提言をBRICS首脳会議に
■シンクタンクの提言をBRICS首脳会議に
近年、BRICSのシンクタンクはBRICS協力のために幅広く意見や知恵を集め、BRICSの現実に沿った新たな見解や考えを多く示し、BRICS協力の持続的で深い発展を効果的に後押ししてきた。12日の開幕式で、フォーラムは「BRICS首脳厦門会議への第9回BRICS学術フォーラムの提言」を発表した。これらの提言は今回のフォーラムの重要な成果として、今年9月のBRICS首脳会議に提出される。
中国人民大学の呉暁球副学長は人民日報の取材に「現在、世界は経済下降、ポピュリズムと保護貿易主義の台頭などの問題に直面しており、BRICSが手を携えて協力し、未来を共に創造することがとりわけ大切だ。将来、BRICSは機能拡大に努め、利益の訴求点を探る必要がある」と指摘した。
シンクタンク代表として出席したブラジル大統領府戦略特別副秘書官は「現在までBRICS協力で最も成功したのは経済・金融ガバナンス分野である。BRICS加盟国は知識と技術の交流をさらに進めるべきだ。特に貿易の円滑化、非伝統的安全保障などの分野で協力を展開し、発展の過程で遭遇する困難の克服を助けるべきだ」と指摘した。
国の交わりは民の相親しむに在り、民の相親しむは心の相通じるに在り。民心の通じ合いを後押しすることは、BRICS協力を支える民意と社会の土台を突き固めることになり、BRICS協力体制の安定した長期持続の保障にもなる。民間社会組織は大衆性と専門性の双方を備え、民心の通じ合いを後押しするうえで強みを持つ。
ブラジル国際発展協力協会会長は人民日報の取材に「民間社会組織は政府ではないが、国際問題で重要な役割を発揮する。BRICS加盟国において民間社会組織の演じる役割を強調し、BRICS内での参加制度を強化して、BRICSの持続可能な発展を確保すべきだ」と指摘した。
■開放性と包摂性を存分に示すBRICS協力
■開放性と包摂性を存分に示すBRICS協力
会議はBRICSとの対話に新興国や途上国の代表を初めて招待した。ラオス、カンボジア、エジプト、カザフスタン、メキシコ、アルゼンチン、モロッコなど途上国代表の出席によって、BRICS協力の開放性と包摂性が存分に示された。いかにして「BRICSプラス」の拡大モデルを発展させ、より広範なパートナーシップを構築し、BRICS「コミュニティ」を拡大するかも、会議の大きな議題となった。
BRICS関連会議に初めて出席したフィリピンのアキリノ・ピメンテル上院議長は人民日報の取材に「フィリピンがBRICS関連会議に参加するのは初めてだ。将来はBRICSへの加盟も強く期待している」と表明。「もしBRICSが加盟国を増やすのなら、経済発展水準など多くの要素も考慮する必要があるだろう。選択する基準がどうあろうとも、フィリピンは今後のBRICS関連会議に招待されることを望む。われわれは喜んで学ぶ」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年6月14日