今週火曜日、初のBRICS外相会議が北京で行われる。また最近、第2回BRICS財相・中央銀行総裁会議が上海で開催され、BRICS競技大会が広州で開幕し、BRICS政党・シンクタンク・民間社会組織フォーラムが福州で開催された。相次ぐBRICSの活動は、BRICS体制が急速に深まり、厚みを増し、広がっていることの反映だ。(文:賈晋京・中国人民大学重陽金融研究院首席研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
グローバル・ガバナンス体制全体から見ると、最近は他の体制も活発に動いている。5月末にはG7サミットがイタリア・シチリア島で閉幕した。G20サミットは7月7日にドイツ・ハンブルクで開幕する。G7サミット、BRICS外相会議、BRICS財相・中央銀行総裁会議が、近く開催されるG20サミットに重要な影響を与えるのは間違いない。
「世界経済ガバナンスの主要なプラットフォーム」であるG20の構成において、BRICSとG7は最も重要な国家間体制だ。そしてBRICS体制は10年間の発展を経て、グローバル・ガバナンス構造において徐々にG7と肩を並べている。3つの点から分析してみよう。
まず、BRICSはグローバル・ガバナンスの「増分」の重任を代表している。BRICSは世界人口の4割近くを占めると同時に経済発展が速く、過去10年間で世界経済に占める割合は12%から23%にまで高まり、世界経済の成長への寄与は50%を超え、5カ国間の貿易・投資は大幅に拡大し、世界銀行、国際通貨基金(IMF)など重要な国際金融機関における発言権は新たなレベルに達している。世界で最も急速に発展する4割の人口は、BRICS体制を通じてグローバル・ガバナンスに参画する必要がある。
次に、BRICSとG7はグローバル・ガバナンスの「既存分」の責任を担っている。約30年前、西側7カ国の経済規模は世界全体の約85%を占め、G7が世界経済ガバナンスの主要なプラットフォームだった。だが2008年の世界金融危機後、西側7カ国は低成長の暗雲から抜け出せぬままで、世界経済に占める割合も50%以下にまで下がった。それでもG7は依然、世界経済において規模が大きく、近代化の歴史が最も長い部分の代表だ。かつG7体制は40年余りの発展の過程において、最も大きく、最も広範で、最も成熟したガバナンスシステムを形成しており、G20とBRICSの模倣の対象であり続けている。従って、G7はより成熟した体制として、BRICSと共にグローバル・ガバナンスにおいて「既存分ガバナンス」の責務を担っている。
最後に、BRICSとG20はグローバル・ガバナンスの方向を先導する大任を担っている。2016年の中国杭州G20サミットは、グローバル・ガバナンスの歴史において鍵となる転換点だった。杭州G20サミットは成長方式の革新、潜在的成長力の掘り起こしを世界経済ガバナンスの中心課題とし、持続可能な開発のための2030アジェンダの実行をG20の主要な議題として、グローバル・ガバナンスの大きな方向を再定義した。2017年BRICS協力「中国年」の各種成果文書、先日発表されたBRICS外相会議プレス・コミュニケには、G20の政策方針を共に担うとの明確な誓いが見られる。
すでにBRICS体制は包括的で多分野の対話・協力網を形成している。年次首脳会議、安全保障代表や外相など10余りの閣僚級会議をすでに設置し、BRICSビジネス理事会、BRICSシンクタンク理事会、BRICSテロ対策作業部会、ネット作業部会などを運営し、新開発銀行、BRICS外貨準備基金など金融協力制度、新設のBRICS競技大会など人的・文化的協力制度も続々と現れている。BRICS体制はシステムを整え続け、グローバル・ガバナンス能力を強化し続けている。中国にとって、BRICSとG20はグローバル・ガバナンス参画の両翼、両輪であり、意気軒昂として共に飛び、共振している。(編集NA)
「人民網日本語版」2017年6月22日