「THAADよ去れ、平和よ早く来い」がスローガン
韓国紙『ハンギョレ』は、ミサイル防衛システム「THAAD」の韓国への配備には注目が集まっているが、星州郡の人びとの反対の声は長い間忘れられてきたと指摘する。「もしも一人ひとりが声を発さなければ、政治は絶対に変わらない。政治は遠くのものではなく、私たちの生活そのものなのだ」。星州の母親らが出した結論には、深く考えさせられる。
本紙記者はこれまで、星州を何度も訪れたが、そのたびに青い蝶リボンや青い横断幕を目にした。現地の人びとによると、青色には、平和に対する彼らの希望が託されている。映画の題名についてパク・ムンチル監督は、星州郡は小さく、住民も少なく、映画も低予算で、それぞれの力には限りがあるが、「平和のためのそれぞれのはばたきが、バタフライ効果を引き起こす」ことへの願いがこめられていると語った。
韓国正義党国会議員の金鍾大氏は、このドキュメンタリー映画は観衆に、THAADの韓国への配備が星州の人びとにどのような苦しみを与え、彼らがどのような戦いを行ったかを伝えるものだと評価を語った。
今年の韓国大統領選に参加した城南市市長の李在明氏はTHAAD配備に一貫して反対して来た一人だ。李氏は映画鑑賞後、「平和は、民族の存続や国家の未来にかかわる問題だ。人びとは、政治的な立場や理念の違いを越えて対処する必要がある。この映画は人びとに、現在の情勢の深刻さを意識させるものだ。ともに努力して現状を変えよう」と呼びかけた。
星州では、「THAADよ去れ、平和よ早く来い」が人びとのスローガンとなている。パク監督は、「THAADの配備は、朝鮮半島さらには東北アジア地域全体の緊張関係を激化させるものだ。このような『武器』が去ってこそ、朝鮮半島は、本当の平和と安定を迎えることができる」と語る。星州の人びとは戦いを続けている。この映画によって、より多くの人びとがTHAAD問題に関心を持ち、星州の人びとの心の声に耳を傾けることを願う。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月29日