12月13日は、4年目となる南京大虐殺犠牲者国家追悼日だ。中国共産党中央委員会総書記、中国国家主席、中央軍事委員会主席の習近平氏が南京で開かれた国家追悼式に出席した。各界代表約1万人が胸に白い花を留め、共に黙祷した。凄まじい警報が大空を貫き、3000羽の平和のハトが羽ばたいた。中華民族の苦難の記憶を呼び覚まし、歴史を鑑とし平和を守る断固たる力を集めた。
追憶は、歴史の鏡を磨き、事実と真相を明らかにするためだ。中国侵略日本軍は80年前、野蛮に南京に侵入し、中国人の同胞30万人を残忍に殺害し、第二次大戦の「三大惨事」の一つを引き起こした。その罪深き行為については確たる証拠が山とあり、すでに定説が形成されている。ところが戦後の日本政府は文書などの証拠を大量廃棄処分し、戦争の「加害者」という国際社会の認識を曖昧にした。現在も日本の右翼分子は歴史否定の頑固な態度を持っており、多くの子供は祖父母の代が中国で犯した重大な罪をまったく知らず、国際社会の南京大虐殺への理解も依然として不足している。中国は国として犠牲になった30万人の同胞を深く偲び、南京大虐殺を代表とする日本の中国侵略の罪という史実を認識させ、全中国・全世界が持つべき共通の記憶とする。これを全世界と全人類を励ます正義の力とし、歴史を曖昧にし、歪曲し、消し去ろうとするすべての言行を徹底的に清算する。
追憶は、戦争の教訓を汲み取り、平和な未来を切り拓くためだ。ドイツの友人ジョン・ラーベは苦しみに耐えながら南京大虐殺の現場を忠実に記録した。これは戦争の歴史を「赦せるが、忘れてはならない」からだ。55年前に中国を代表し東京裁判に加わった中国人裁判官の梅汝璈は過去を振り返った際に、人々にこう戒めることを忘れなかった。「私は日本帝国主義者の我々への血の借りを日本国民に返させるつもりはない。しかし私は過去の苦難の忘却は、未来の災いを招きかねないと信じている」13年前の南京大虐殺で、日本軍に刀で37回刺されながらも生存した李秀英さんは、長年に渡り日本軍の罪について訴訟に奔走し、亡くなる前に「歴史を記憶し、憎しみを記憶しない」という遺言を残した。中国が国として南京大虐殺の犠牲者の追悼式を開くのは、歴史を鑑とし、すべての善良な人に平和を求め、これを守るよう促し、共に平和を惜しみ守るためだ。
南京大虐殺80周年という重要な歴史の節目において、盛大な国家追悼式を開く中国への賛同が世界で広がり続けており、南京大虐殺の歴史の真相を守るチームに加わる国際関係者が増え続けている。今年の国家追悼式には、第二次大戦の中国の戦区の代表、日本ファシズム侵略を受けたアジア諸国の使節、イスラエルなどの使節、それから中国人民抗日戦争の勝利に貢献した国際友人の親族代表が出席した。440以上の海外華僑・華人コミュニティが世界各地で同時に追悼式を開いた。日本の村山富市元首相は人民日報に掲載された記事の中で、「日本は日中関係の歴史の事実を正確に認識し、深い反省を踏まえた上で中国と交流するべきだ」と呼びかけた。ジョン・ラーベの孫、トーマス・ラーベ氏は追悼式に寄せた言葉の中で「ドイツにとって、罪の責任を認める、和解し関係回復するという2つの言葉には、神秘的な力が込められているかのようだ。これらの言葉はドイツとすべての被害国が、共に未来に向かう決意を示している。公理と正義を守る声が集まり、平和を守る力が拡大を続け、歴史のほこりがついに払拭されようとしている」と指摘した。
歴史を鑑とし、初めて未来の道をしっかり歩むことができる。南京の「嘆きの壁」の前で、生存者が亡くなった家族の名前を見つめながら、子孫に「しっかり学び、平和を守るように」と言いつけた。抗日戦争勝利70周年記念パレードで、老兵代表が震える手で涙を拭った。人々はこれらを忘れることができない。我々はそのため「正義は勝つ、平和は勝つ、人民は勝つ」という歴史の鉄則を断固信じる。80年の時の流れは歴史の血涙という教訓を蓄積し、得難い平和な時代をもたらした。立ち上がり、豊かになり、強くなった中国は、平和的発展が依然として任重くして道遠しであることを深く知っており、いっそう断固たる姿勢で血と命で手にした平和を守っていく。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年12月14日