「インド太平洋戦略」の行方(2)

「インド太平洋戦略」の行方(2)。

タグ:インド太平洋

発信時間:2018-02-23 18:04:27 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

トランプ政権はここ2カ月間に、重みのある戦略文書「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「核態勢の見直し」を公表した。これらの報告は国の安保、防衛、核の3つの視点から戦略と政策を定めた。現在米国が実施を急ぐ「インド太平洋戦略」を導き、支えるものとなる。(文:呉敏文<国防科技大学情報通信学部>。中国青年報掲載)

2017年11月初めのトランプ米大統領の東アジア訪問は、「インド太平洋戦略」が新政権のアジア太平洋戦略となったことを明示した。米国が「インド太平洋戦略」を実行するのは、インド洋―太平洋地域において、政治(民主主義の価値観)、外交(徒党を組む)、軍事(軍事演習、武器売却)などの総合的手段を講じて、中国の台頭を抑え込み、中国の影響力を弱めることで、自国の覇権的地位を維持・確保することが目的だ。

「インド太平洋戦略」の中核となる米日印豪4カ国において、米国は「盟主」であり、日豪は米国のアジア太平洋同盟体制において「北の錨」「南の錨」とされている。そしてインドは米日が仲間に引き入れようと力を込めている対象だ。この戦略は中国の発展に対する地域の一部の国の焦慮と不適応に符合するため、一連の反応を引き起こした。

■インド:中国の戦略的意図を誤解

ここ数年で、インドにとって中国は核兵器開発、ミサイル開発、先進的武器導入の「専門的」仮想敵となった。中国は「一帯一路」イニシアティブに主導される「海外展開」戦略を実行し、パキスタンでグワダル港と中国パキスタン経済回廊を建設している。これにインドを標的とする意味合いはないが、インドは「脅威」を感じている。モディ首相は就任後、インドの「ルック・イースト」政策を「アクト・イースト」戦略として実行に移した。インドの「アクト・イースト」戦略の最も頼りになるパートナーがシンガポールだ。2007年に両国は「空軍二国間協定」に署名し、2008年には「陸軍二国間協定」に署名。両国海軍は1994年から合同演習を定期的に実施している。2017年11月29日、シンガポールのウン ・ エンヘン国防相が訪印し、インドのシタラマン国防相と両国海軍の協力協定に署名した。海洋安全保障協力、合同演習の実施、相手国の海軍施設の一時使用及び後方支援業務の提供を含む内容だ。

インドは中国と地政学的競争、軍事競争を行う姿勢を見せているが、これは完全に中国の戦略的意図に対する誤解または曲解に基づくものだ。中印は共に多くの人口を抱える発展途上国であり、経済発展と民生改善が主要課題だ。したがって地域の平和が双方にとっても最も肝要な共通利益であり、中印は軍備競争ではなく実務協力を繰り広げるべきだ。

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