プラザ合意の二の舞い、中国は演じるはずがない

プラザ合意の二の舞い、中国は演じるはずがない。

タグ:貿易戦争 レジーム 経済構造 黒字

発信時間:2018-03-27 14:53:23 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 中国と米国の貿易戦争の硝煙が、瞬時にして立ち上った。中国の現状を、1980年代にプラザ合意に至った日本と比べ、分析する声もある。筆者は、中国は日本とは異なるが、その経験と教訓を参考にできると考えている。(筆者・劉軍紅 中国現代国際関係研究院研究員)

 

 戦後間もなくブレトンウッズ体制が構築された。米国はその実力により、貿易不均衡の責任を黒字側ではなく赤字側に押しつけた。米国が当時、最大の対外貿易黒字国だったからだ。しかし1970年代になると、長年の資本輸出、製造業の外部流出により、米国は徐々に貿易赤字国になっていった。そこで米国は転じて、黒字側に責任を押し付けた。1985年のプラザ合意は、米国が財政赤字及び貿易赤字の急増の流れを覆すため提案したものだ。それまで日本は世界最大の貿易黒字国、世界最大の債権国であり、日本製品が世界各地を席巻していた。

 

 プラザ合意は漸次的なドル安により米国の巨額の貿易赤字を解消し、円・マルク相場を大幅に引き上げるよう求めた。この調整により日本は急激な円高を迎え、景気低迷に陥り、短期的かつ急な危機を迎えた。その後米国は一安心し、各国の政策調整を認めた。「円高恐怖症」にかかっていた日本は、引き上げていた金利を引き下げた。しかし当時の日本経済はすでに過熱しており、この超低金利を2年余り続けたことで、最終的にバブルが崩壊した。

 

 米国は中国に為替の手段を用いることができない。経済モデルチェンジの段階にあるため、中国の為替政策はより安定的で、日本の「円高恐怖症」とは異なる。ゆえに米国はプラザ合意の手法により、中国と貿易戦争を展開することはできない。

 

 また中日間の構造的な差により、米国は関税の手段により中国をけん制することは難しい。当時、日本の製造業による米国の製造業への衝撃は、まさに「掛け値なし」のものだった。日本は貿易立国のため、短期資本の自由な出入りを認め、貿易決済問題を解消した。国内で直接投資を行う長期資本には制限を加えた。こうして日本の製造業のほぼ100%が国内からの投資となり、生産した製品を米国に輸出した。米国は関税や為替などの手段により、日本叩きに本腰を入れた。


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