中国の政策は正反対だ。中国の製造業、特に輸出企業の多くの部分が外国資本で、かつ「両頭在外」(原材料の調達先、加工品の販売先が海外)で、組立を国内で行っている。このような状況により、中国の対米輸出は非常に大規模に見えるが、その大半は外国資本、さらには米国企業が主導している。それならば米国が中国製品に追加関税を課したとしても、効果は大きく割り引かれる。むしろ米国国内の損失が生じ、新たな不公平を生む。
米国には多くのエリートがいるが、なぜ関税という単純かつ乱暴な手段を使うのだろうか。これにはきっと、次の手があるはずだ。米国はこのカードを切るぞと叫びながら、実際にはカードを切っていない。そのため我々は冷静に観察し、長期的な視野を持つことだ。
日本は当初、目先の利益にこだわり、米国への自動車輸出拡大を考えていた。その結果、その後の判断を見誤った。米国と駆け引きをする場合、次の手、三の手まで考えなければならない。戦うのは容易であり、勝つのも難しくないが、戦後レジームをどう決めるかが難しい。我々はこの高い見地に立ち、米国との貿易戦争をいかに進めるかを考えなければ、盲目的になる。
中国の戦略思想は非常に豊富で、孫子の兵法や三十六計はもちろんだが、囲碁十傑だけを取っても十分に偉大だ。しかし我々は現在の世界経済構造と、新たな制度がどこに向かうのか注意し、同時に戦いと駆け引きにより新たな構造・体制の形成を求めるべきだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月27日