第一に、米国の造船業の生産能力の不足。米国で中・大型の艦船を建造できる造船所は、ジェネラル・ダイナミクス傘下のバス鉄工所、ハンティントン・インガルス傘下のインガルス造船所やニューポート・ニューズ造船所などいくつかの造船企業にすぎない。フォード級空母の建造経験を持った企業もニューポート・ニューズ造船所だけで、その他の造船所はいずれも、新空母を建造する技術能力を持たず、せいぜい補助的な役割を担うことしかできない。
第二に、建造に必要なインフラの不整備。フォード級のような10万トン級のスーパーキャリアーを建造するには、特殊な大型起重機やガントリークレーン、乾ドックなどのインフラが必要となる。ニューポート・ニューズ造船所の造艦設備はいずれも、1年で1隻の空母建造という規模と進度に従って整えられている。2隻の空母の同時建造を開始するには、まずインフラの拡充が必要となる。この面での投入は25億ドルで補えるものではない。コストを考えずに多額を投入しても、準備に必要な時間を知るのは難しい。
最後に、米国の造船業の深刻な人手不足。1980年代以降、コストの急速な上昇などを原因として、米国の造船業は縮小を続けてきた。ニューポート・ニューズ造船所の年間生産額は100億ドルに満たず、利潤率は4%から5%にすぎない。米国の造船業は現在、優秀な若い人才を集められないどころか、熟練した造船人材の留保でも困難に直面している。造船所の人手不足の状況下で2隻の空母を同時建造するのは不可能だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月28日