潜水艇の海馬号と深海勇士号は、国家ハイテク研究発展計画(863計画)の海洋技術分野で自主開発された深海重要科学技術装備で、中国による深海探査中核技術の掌握や研究成果のスピーディーな転化、国産ハイテク設備の実際の応用の面での模範とされる。海馬号は、中国専門家チームによる6年近くの開発と難関攻略を経て、2014年に試運転を経て検収された後、深海地質調査にただちに応用され、海馬冷泉を発見し、天然ガスハイドレート資源の調査や冷水湧出域の生態環境モニタリング、海山コバルトリッチクラスト地域の複数の手段による総合作業などの面で多くの業績を上げた。深海勇士号は2017年に試運転を経て検収され、優良な深海探査作業能力を示している。2基の潜水艇はいずれも中国が独自に設計製造と操作使用を進めているもので、「中国10大科学技術進展」に相次いで入選し、中国の深海ハイテク装備自主開発応用分野での代表的な成果とみなされている。
海底冷水湧出域の研究は、資源や環境、生命の起源など先端科学にかかわり、世界の深海科学研究の焦点となっている。深海潜水艇は、海底冷水湧出域の研究を進めるための重要な装備だ。海馬冷泉は、中国南中国海珠江口盆地西部海域に位置し、水深は1350メートルから1430メートルで、海馬号によって2015年3月に発見されたことからこの名がついた。海馬冷泉は、中国管轄海域内で発見された最初の活動中の大型海底冷水湧出域で、天然ガスハイドレートシステムの埋蔵や冷水湧出域の生態環境、地球の生命の起源などの先端科学研究にとっての重要な切り口となる。