ドイチェ・ヴェレは23日、「メルケル首相の訪中は、新たな親友の自宅を訪問するようなものだ」と伝えた。メルケル首相は24日より、11回目となる訪中を開始する。ドイツメディアは今回の訪中で取り上げられる、イラン核合意、保護貿易主義、パリ協定など一連の議題を列挙した。「トランプ大統領の対抗路線により、ドイツと中国が急きょ同じ側に立った」と論じる声もある。
ドイツ通信社は23日「メルケル大統領の訪中には、約20人のドイツ経済代表団が随行する。過去の数十人、さらには百人以上の代表団と比べると小規模であり、大きな契約が結ばれることはない」と報じた。「FINANZEN.NET」は「これは主に中独経済協力がすでに非常に広く展開されており、かつメルケル首相の訪問の重点が政治にあるためだ」と分析した。
ドイツメディアは、メルケル首相の訪中の最も重要な議題は、イラン核合意と判断している。米国は8日、核合意から離脱すると一方的に宣言した。イランは他国から保証を得ようとしている。メルケル首相は中国がEUと共に核合意を堅持することを願っている。
米国は各国からの鉄鋼・アルミ製品に追加関税を導入すると脅迫しているが、これは別の大きな議題になっている。中米間では貿易紛争に関する初歩的な共通認識が形成されているが、EU諸国と米国の紛争はまだ解消されていない。ドイツは世界貿易の自由をいかに保証するかをめぐり、中国と調整・協議しようとしている。これらの問題について、中国とドイツは同じ立場を維持している。
ドイツ紙は「メルケル首相は中国で、中欧米の三角関係という複雑な公式を解かなければならない。これは米国と中国という難しい協力相手の間で、欧州がいかにバランスを維持するかということだ」と指摘した。ベルリン・メルカトル中国研究センター長は「トランプ大統領の政策により、メルケル首相の本来ならば一般的な訪問には特別な意義が備わっている。米国が国際関係における基本ルールを守らなければ、EUとドイツは中国と協力する新たな道を模索しなければならない」と述べた。