上海協力機構(SCO)加盟国首脳理事会の第18回会議(上海協力機構首脳会議)が6月9日から10日にかけて山東省青島市で開催される。SCO発足の地・中国でのSCOサミット開催は、2012年の北京サミット以来だ。青島サミットはSCO発展の新たな段階をどう開くのか。現代世界にどのような影響を与えるのか。世界は期待を膨らませている。(文:張恒龍・上海大学上海協力機構パブリック・ディプロマシー研究院副院長。人民日報掲載)
近年、SCOはユーラシア大陸の重要な安全保障協力機構としての地位を維持してきただけでなく、経済・貿易協力を深め続け、戦略の連携を強化し、「一帯一路」イニシアティブ連携の重要なプラットフォームとなってきた。加盟国の企業は中国大陸部外の経済貿易協力区の建設を通じて、「一帯一路」建設においてますます重要な役割を発揮するようになっている。例えばSCOオブザーバーであるベラルーシは、中国の「一帯一路」イニシアティブに割合早く前向きに応じた国の1つだ。中国ベラルーシ工業団地はすでに両国にとって最も重要な協力事業となっており、中国にとっては中国大陸部外に建設する工業団地の中で面積が最大でもある。すでに中国の大企業多数が集まり、いくつかの産業分野で国際競争力の優位性を形成しており、中国大陸部外での経済貿易協力区の1つのモデルケースとなっている。
中国大陸部外の経済貿易協力区は「一帯一路」建設と国際生産能力協力の重要な担い手であり、中国の製造業及び関連サービス企業の合同「海外展開」を後押しするだけでなく、加盟国企業の世界的規模での資源配置の最適化、特に所在国の工業化プロセスの促進、産業の高度化、二国間経済・貿易関係の発展にプラスだ。また、経済発展と雇用創出によって現地の人々に幸福をもたらすものであり、人類運命共同体構築の理念を実行する的確で効果的なやり方だ。昨年末までに中国系企業が建設中で目鼻がついた中国大陸部外の経済貿易協力区は99カ所、累計投資額は307億ドル、経済貿易協力区に進出した企業は4364社で、所在国に24億2000万ドルを納税し、現地に25万8000人の雇用を創出した。このうち、昨年の新規投資は57億9000万ドルで、生産額は186億9000万ドル。投資集中効果と産業波及効果を一層発揮している。
今後は、関係当局が中国大陸部外協力区のデータベースを統合的に構築し、インターネット+企業誘致プラットフォームを築き、関心のある企業がより迅速かつ容易に投資先を探し、ターゲットをしぼった投資を行い、投資リスクを減らすことができるようにする必要がある。優遇政策を通じてリーディングカンパニーを中国大陸部外の経済貿易協力区へと誘導して、川上・川下の複数の関連企業が共に海外展開するようにし、一企業の競争を産業チェーン全体の競争に変えて、中国系企業の競争力を高める必要がある。同時に、中国の各方面の対外協力を意識的に結びつけ、一当局の対外協力を全体の対外協力に変え、統合的計画のレベルを高めることで、対外協力の協同効果を発揮し、重層的な利益を生むことができる。
SCOの過去17年間の初心を忘れぬ探求は、長期的利益に立脚して初めて、現地経済の発展に資する全局的、系統的政策となり、企業の着実な前進に資することを物語っている。中国大陸部外の経済貿易協力区の一層の発展は、必ずSCOの発展を新たな段階へと後押しし、地域経済協力と「一帯一路」イニシアティブの相乗効果を生み、人類運命共同体の構築に一層の役割を果たす。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年6月6日