上海協力機構(SCO)加盟国首脳理事会の第18回会議(上海協力機構首脳会議)が6月9日から10日にかけて山東省青島市で開催される。中国新聞社が伝えた。
過去17年間にSCO加盟国は地域経済協力の面で多大な成果を得た。特に2017年にインドとパキスタンが正式に加盟した後、SCOはまた新たな発展段階に入った。各加盟国はサミットでの経済・貿易合意を積極的に実行に移し、域内貿易投資の発展促進、コネクティビティ強化などの面で新たな進展を得た。
■貿易・投資が年々増加
2017年の加盟国拡大後、SCO加盟国の面積はユーラシア大陸の60%を占め、人口は30億人を超え、GDPの総計は16兆ドルを超えて全世界の20%以上を占めるにいたった。こうした膨大な規模によって、加盟国間に広大な協力空間が生じた。これに基づき、SCOはすでに地域経済及び各加盟国の経済成長を牽引する新たな原動力となっている。
例えば中国は、SCO発足当初の2001年はわずか121億ドルだった加盟国との貿易額が、2016年には937億ドルに達した。2013~17年の累計で、SCO加盟国からの中国の商品輸入額は3400億ドルを超えた。
今年に入り、各加盟国の相互貿易・投資は安定の中で好転している。貿易構造・方式は最適化と革新が進み、ハイテク製品とクロスボーダーECが貿易の新たな目玉となっている。
■「一帯一路」建設のもたらす実益
「一帯一路」建設の追い風に乗って、中国とSCO加盟国は貿易の円滑化と資金の融通において飛躍的進展を得た。2017年末までに、中国と加盟国の投資総額は840億ドルを超えた。
SCOの「大家族」に加わったばかりのパキスタンは、この「実益」をすでに感じている。パキスタン工商業連合会幹部は、SCOは域内の企業が関連する建設や貿易に参加するための機会と場を増やしたと指摘する。
■地域エネルギー協力に続々と目玉
SCOは政治、経済・文化分野で緊密に協力している。SCOは重要なエネルギー生産・消費市場として、エネルギー分野ではなおさらに続々と目玉が生じている。2013年に上海協力機構エネルギークラブが設立された。従来型エネルギーに加え、新エネルギーの建設と開発もSCO加盟国の協力日程に加わった。世界最大の太陽光パネル生産・設備容量国、最大の風力発電設備容量国、最大の原発建設国、そして世界のクリーンエネルギーの先導国である中国は、一貫して他の加盟国の省エネ・環境保護技術向上を積極的に支援してきた。
中国国家発展改革委員会エネルギー研究所の周大地研究員によると、新エネルギーはSCO加盟国の将来のエネルギー協力において最大の潜在力を持つ分野だ。中国はインフラ整備の優位性を発揮し続け、各種エネルギー貿易協力の制度整備を推し進めてもいる。
■「経済シンクタンク連盟」が協力制度を革新
上海協力機構経済シンクタンク連盟が先日北京で発足した。非政府協力制度である連盟はSCO地域経済協力の深化を頭脳面から支える、SCO協力制度の革新だ。加盟シンクタンク間で直接協力を築き、効率を高めるとともに、他のシンクタンクにも開放し、柔軟な協力方法を取り、各国のシンクタンクの発展水準と意向に基づき協力の議題と方法を打ち出す。
中国商務部(商務省)研究院の顧学明院長は「シンクタンク連盟の協力制度を通じて各国のシンクタンクの長期的で深い交流を促進し、長期的で持続可能な協力関係を築き、官産学の有機的結合を実現し、地域経済協力の様々な問題を解決することができる」と指摘する。
■コネクティビティ強化が新たな章を開く
中国は国際定期貨物列車「中欧班列」「中亜班列」の開通によって、SCO加盟国の交通施設建設を支えているほか、各加盟国と「上海協力機構加盟国政府間国際道路運輸円滑化協定」の実行を推し進め、域内コネクティビティを強化している。
加盟国間のコネクティビティは道路インフラのコネクティビティだけでなく、税関、品質検査、ビジネス環境、政策制度、発展計画など制度レベルのコネクティビティも含む。中国は各国と「上海協力機構貿易円滑化協定」の締結推進に努力し、地域経済協力の制度的取り決めを交わすことを提唱している。
中国商務部研究院欧州・ユーラシア研究所の劉華芹所長によると、各加盟国間のインフラのコネクティビティ強化は、複数の大型プロジェクトの実行にいたると考えられる。建設過程において、企業は着工許可、財産権登記、融資申請など各段階に関わるだろう。したがって、ビジネス環境の整備は地域経済の発展に決定的影響を及ぼす。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年6月6日