「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)イニシアチブの推進、中国と国境を接する地理的な優位性により、ロシア極東と中国の協力は好調な勢いを呈している。両国を結ぶ国境地帯のインフラ整備が迅速に推進されている。現段階では、農業と越境物流が、双方の協力の重点分野になっている。
越境インフラ、協力の基礎を築く
資料写真:凍った湖で釣りを楽しむロシア沿海地方の市民
ロシア沿海地方(Primorsky Krai )は中国の黒竜江省や吉林省と隣接している。沿海地方は近年、中国向けに国際交通回廊プロジェクトをPRしている。うち「沿海1号」プロジェクトは黒竜江省と沿海地方を結ぶ港で、「沿海2号」プロジェクトは吉林省と沿海地方の港を結ぶ。ロシア側は中国の貨物に沿海地方の港を経由させようとしている。
沿海地方の副行政長官は新華社の記者に対して、「ロシア極東は中国と隣接している。中露両国の政府・民間は友好関係を維持している。中国の一帯一路イニシアチブは、ロシア極東の発展に新たなチャンスをもたらした」と述べた。
「沿海地方は中国企業が国際交通回廊を通じ越境運輸を実現することに期待している。中国企業の貨物輸送にかかる時間とコストを節約でき、ロシア沿線地域の発展を促進することができ、ウィンウィンだ」
また中露黒竜江大橋の建設も急ピッチで進められている。同氏は「ニジェネニンスキー・同江鉄道橋は、ロシアのユダヤ人自治州と中国の黒竜江省を結ぶ。ブラゴヴェシチェンスク・黒河道路橋はロシアのアムール州と中国の黒竜江省を結ぶ。2つの大橋は2019年の竣工と開通を予定している」と話した。
2つの大橋は中国東北地区とロシア極東の経済・貿易協力をさらに促進し、中国の対露投資をけん引すると分析されている。